残業代請求(店長など管理監督者の方)

管理監督者について


あなたは、「君は管理職だから残業代はでないよ。」…などと上司から言われていませんか。

会社から「管理職だから」と言われても、実はそのほとんどが、本来残業代が支払われてしかるべきなのです。

※当事務所は、コロナウイルス対策の一環として、電話やテレビ会議システムによる面談の上、郵送でのご依頼も受け付けております。
まずは、お電話かメールにてご相談ください。

電話番号: 03-5357-1901

メールの方は、事務所ページのお問合せからお願いいたします。
事務所ページからのメールお問い合わせはこちら

「管理職だから」というのは、難しく言うと、労働基準法第41条に、「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」と言います。)については、「労働時間、休憩及び休日に関する規定は・・・適用しない。」と規定されていることを根拠に、会社が残業代を支払う必要がないと主張するものです。

たしかに、ここで言う管理監督者であれば、労働時間は1週40時間以内、1日8時間以内とか、1時間以上の休憩を与えないといけない、休日は毎週1日以上与えないといけない、といった労働基準法の規定が適用されないのです。

したがって、管理監督者には、時間外労働手当や休日労働手当を支払わなくても良いということになるのです。

なぜ、管理監督者には労働基準法の一部が適用されないのでしょうか。それは、管理監督者は経営者と一体的な立場にあって、自分自身が労働時間についての裁量権を持っているので、労働基準法による保護になじまないからというのが理由です。

しかし、会社内で管理職としての地位にある社員でも、労働基準法上の「管理監督者」に当てはまらない場合があります。経営に関する権限も与えられず、相応の待遇もないまま役職だけを「マネージャー」「店長」「課長」とか「室長」などにしたからといって、残業手当を支払わなくてもよいわけではありません。

(管理職であれば何時間働かせても構わないわけではなく、管理監督者であっても健康を害するような長時間労働をさせてはなりません。また、管理監督者であっても年次有給休暇や深夜労働に関する規定についての適用は除外されていませんので、年次有給休暇の申請があったときは与えないといけませんし、深夜労働(午後10時~午前5時)を行ったときは25%増の深夜労働手当を支払わないといけません。)

管理監督者は、労働基準法上の労働時間等の制約を受けませんが、管理監督者に当てはまるかどうかは役職名といった形式面で判断するのではなく、その社員の職務内容、責任・権限、勤務態様、待遇を踏まえて実質的に判断します。

では、どのような基準で判断するのでしょうか。一般的には、次の3つ要素で判断します。

① 地位、職務内容、責任と権限からみて、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあること。

② 勤務態様、特に自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有していること。

③ 一般の従業員に比してその地位と権限にふさわしい賃金(基本給、手当、賞与)上の処遇を与えられていること。

これらは抽象的な文言ですので、東京労働局の解説をご紹介しましょう。


①経営者と一体的な立場

管理監督者といっても取締役のような役員とは違い、労働者であることには変わりありません。
しかし、管理監督者は経営者に代わって同じ立場で仕事をする必要があり、その重要性や特殊性から労働時間等の制限を受けません。経営者と一体的な立場で仕事をするためには、経営者から管理監督、指揮命令にかかる一定の権限を委ねられている必要があります。
一方、「課長」「リーダー」といった肩書きであっても、自らの裁量で行使できる権限が少なく、多くの事案について上司に決裁を仰ぐ必要があったり、上司の命令を部下に伝達するに過ぎないよ うな場合は管理監督者には含まれません。
また、営業上の理由から、セールス担当社員全員に「課長」といった肩書きをつけているケースも見られますが、権限と実態がなければ管理監督者とは言えません。



②労働時間についての裁量権

管理監督者は、時を選ばず経営上の判断や対応を求められることがあり、また労務管理においても一般の従業員と異なる立場に立つ必要があります。このような事情から、管理監督者の出退勤時 間は厳密に決めることはできません。また、勤務時間の制限がない以上、出退勤時間も自らの裁量に任されていることが必要です。遅刻や早退をしたら、給料や賞与が減らされるような場合は管理監督者とは言えません。



③地位と権限にふさわしい処遇

管理監督者はその職務の重要性から、地位、給料その他の待遇において一般社員と比較して相応の待遇がなされていることは当然といえるでしょう。特に「スタッフ職」と呼ばれる人事、総務、企画、財務部門において経営者と一体となって判断を行うような専門職については、他の部門の管理監督者と同等の地位、給与等の待遇がなされていることが必要です。


有名な裁判例

最後に、管理監督者に関する有名な裁判例をご紹介いたします。マクドナルドの店長が管理監督者に該当しないとの判断がなされ、当時はニュースでも大きく取り上げられました。なお、マクドナルドの当時の店長の平均月収は、年収700万円程度だったといいます。そのような待遇があっても「管理職だから」という理由は通じないのです。

日本マクドナルド事件 (H20.01.28東京地裁判決)

【事案の概要】

(1) ハンバーガー販売会社であるY社は、就業規則において店長以上の職位の従業員を労基法41条2号の管理監督者として扱っているところ、直営店の店長であるXが、同条の管理監督者には該当しないとしてY社に対して過去2年分の割増賃金の支払等を求め、提訴したもの。

(2) 東京地裁は、管理監督者に当たるとは認められないと判示した。


【判示の骨子】

(1) 店長は、店舗の責任者として、アルバイト従業員の採用やその育成、従業員の勤務シフトの決定、販売促進活動の企画、実施等に関する権限を行使し、Y社の営業方針や営業戦略に即した店舗運営を遂行すべき立場にあるから、店舗運営において重要な職責を負っていることは明らかであるものの、店長の職務、権限は店舗内の事項に限られるのであって、企業経営上の必要から、経営者との一体的な立場において、労働基準法の労働時間等の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえるような重要な職務と権限を付与されているとは認められない。

(2) 店長は、店舗の各営業時間帯には必ずシフトマネージャーを置かなければならないというY社の勤務態勢上の必要性から、自らシフトマネージャーとして勤務することなどにより、法定労働時間を超える長時間の時間外労働を余儀なくされるのであるから、かかる勤務実態からすると、労働時間に関する自由裁量性があったとは認められない。

(3) 店長の賃金は、労働基準法の労働時間等の適用を排除される管理監督者に対する待遇としては十分であるといい難い。

(4) 以上によれば、Y社における店長は、その職務の内容、権限及び責任の観点からしても、その待遇の観点からしても、管理監督者に当たるとは認められない。したがって、Xに対しては、時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである。

当事務所の弁護士の解決事案

・某イタリアンレストランの店長(年収500万円程度)について、2年分の残業代として、750万円の支払いを受けることができました。
・某コンサルティング会社のマネージャー以上の職種(年収1200万円程度)について、2年分の残業代として、600万円の支払いを受けることができました。

その他「管理職だから」という主張を排斥して好条件の支払いを受けた事案は無数に上ります。



あきらめないで!


どうですか。もしあなたが「マネージャー」「店長」「課長」「室長」といった役職についていたとしても、労働基準法上の管理監督者には該当しない場合があるのです。そうであれば、これまで会社が支払ってこなかった残業代(過去2年分)を会社に請求することができる可能性があります。

まずは、お気軽にお電話でご相談の上、無料相談にお越しください。

飲食・運送の残業は、初回相談30分・着手金無料、成功報酬=回収した金額の19.8%(税込)~
お気軽にお電話・お問い合わせください。
ネクスパート法律事務所
03-5357-1901

※当事務所は、コロナウイルス対策の一環として、電話やテレビ会議システムによる面談の上、郵送でのご依頼も受け付けております。
まずは、お電話かメールにてご相談ください。

電話番号: 03-5357-1901

メールの方は、事務所ページのお問合せからお願いいたします。
事務所ページからのメールお問い合わせはこちら