離婚後の生活のために円滑に財産分与を行い、双方が納得のいく着地点を目指すことが大切です。

しかし、離婚時は感情的な行き違いが大きいケースがほとんどなので、財産を分ける話し合いにおいてトラブルが生じる可能性が高いです。

この記事では、財産分与について相談ができる専門家をケース別に紹介します。
弁護士に依頼すべき理由も解説しますので、ぜひ最後までお目通しください。

財産分与は専門家に相談を!ケース別相談先3

財産分与に関しては、状況や目的に応じて、弁護士・司法書士・行政書士等の専門家のサポートを受けられます。

本章では、現在あなたが置かれている状況別に、適切な相談先を紹介します。

弁護士|トラブルの解決や法的助言が必要なとき

トラブルの解決や法的助言が必要な場合は、弁護士に相談をしましょう。

相手が自身の財産の開示を拒否したり、財産分与だけでなく親権、養育費、慰謝料等でトラブルが発生していたりするなら、迷わず弁護士に相談したほうがよいです。

法的な助言をしたり、あなたの代理人として相手と交渉したりできるのは、弁護士だけだからです。

司法書士|不動産の名義変更が必要なとき

不動産の名義変更が必要な場合は、司法書士に相談をしましょう。

財産分与について合意できて不動産の名義が変更になる場合は、登記申請をしなければいけません。登記申請の代理申請は司法書士の独占業務ですので、司法書士に依頼すれば安心して任せられます。

相続登記のように決められた期限までに登記申請をしなければならない義務はありません。しかし、財産分与によって不動産の所有者が変わった場合には、以下の理由から、速やかに不動産の名義変更登記を申請することを推奨します。

  • 前の所有者がいつまでも固定資産税の支払い義務者になるため
  • 新たに不動産の所有者になった人が第三者に所有権を主張するため

行政書士|書類の作成だけお願いしたいとき

離婚協議書など書類の作成だけを依頼したい場合は、行政書士に相談をしましょう。

例えば、当事者同士の話し合いで財産分与の条件や方法に合意ができ、あとは離婚協議書の作成だけが必要なケースです。

費用をできるだけ抑えたい人にとって行政書士への依頼は有効な選択肢です。ただし、行政書士は、財産分与について法的なアドバイスはできません

財産分与の方法や条件について法的な助言が必要なときや、相手との調整がスムーズに進まないときは、弁護士に相談しましょう。

財産分与を弁護士に相談すべき理由は?

財産分与を弁護士に相談すべき理由は、以下の3つです。

公平な財産の分け方についてアドバイスが得られる

弁護士であれば、公平に財産を分ける方法についてアドバイスができます。

現金のように物理的に分けられるものは公平性が保てますが、不動産のように物理的に分けられないものは、弁護士からアドバイスを得て行ったほうがよいです。

離婚後に不動産の財産分与は不公平だったと相手側からクレームを言われる等のトラブルが避けられます。

自分に不利な点・リスクに気づける

弁護士に相談をすれば、自分に不利な点やリスクに気付けます。

依頼するかどうかの判断材料になる

弁護士に相談すれば、今すぐ依頼すべきか、それとも様子を見るべきかなどの判断材料になります。

相談だけで解決できればベストですが、相手とさらに揉める可能性も否定できません。

事前に相談をしておけば、状況が進展したとき「弁護士に依頼したほうがいいかも…。」と冷静かつ適切な判断ができます

一度相談をすれば、その弁護士との相性や説明のわかりやすさ、弁護士費用がどのくらいかかるかの目安も把握できます。

弁護士に依頼しようと決心した際に迅速に動ける点はメリットです。

財産分与について弁護士への依頼を見据えて相談したい7つの場面

財産分与について、弁護士への依頼を見据えて相談したい7つの場面について解説します。

財産の内容や金額を正確に把握できない

財産の内容や金額が正確に把握できない場合、弁護士に相談・依頼をしたほうがよいでしょう。

弁護士であれば、財産を正確に把握するにはどうすればよいか、具体的なアドバイスができます。

財産分与に関する手続きを正式に依頼すれば、弁護士会照会や裁判所を通じた調査嘱託により、相手の財産を調査してもらえる場合もあります。

相手が財産を開示する可能性が低いと感じている場合は、事前に弁護士に相談をしたほうが後々スピーディーに事を進められる可能性があります。

お互いに譲れない財産があり話し合いが難航している

お互いに譲れない財産があり、話し合いが難航している場合は、弁護士に相談をしたほうがよいでしょう。

相手との話し合いが平行線で解決の糸口が見えない場合は、早々に調停・裁判へ舵を切ったほうがよいケースもあります。弁護士であれば、そのあたりの匙加減が的確に判断できるので、時間を無駄にせず、効率的に話が進められる可能性があります。

離婚協議書を不備なく作成したい

離婚協議書を不備なく作成したい場合は、弁護士に相談をしたほうがよいでしょう。

離婚協議書は、法的拘束力が認められる内容で作成するのがポイントです。離婚協議書の内容に不備があれば、協議書自体が無効になる可能性があるので気を付けましょう。

財産分与の条件交渉から名義変更まで一任したい

条件交渉から名義変更まで一任したい場合、弁護士に相談したほうがよいでしょう。

あなたの代理人として交渉ができるのは弁護士だけです。相手と直接話をしたくない場合は、相談の段階で弁護士を選択したほうがスムーズに話が進む可能性があります。

財産分与について合意した後も名義変更などの事務手続きが必要なケースがあるため、弁護士であればトータルで任せられて安心です。

将来トラブルにならないように手続きを進めたい

将来トラブルにならないように財産分与の手続きを進めたい場合は、弁護士に相談をしたほうがよいでしょう。

当事者だけで話し合いを進めると、重要なポイントが抜けて将来トラブルの種になる可能性があります

財産分与の対象となるものが多い人や相手との関係が険悪で話し合いが難航している人は、弁護士のアドバイスが必要になる可能性が高いため、あらかじめ相談をしたほうがよいかもしれません。

調停・裁判の手続きに不安がある

調停・裁判の手続きに不安がある場合は、弁護士に相談をしたほうがよいでしょう。

相手との話し合いが上手くいかず、「このまま続けても埒があかないかも…。」と考えているなら、早い段階で弁護士に相談をしましょう。

弁護士であれば、調停・裁判の手続きを代理人として任せられますので、話し合いを続ける意味がないと判断したら迅速に調停手続きに移行できます。

相手に弁護士がついている

相手に弁護士がついている場合は、弁護士に相談したほうがよいでしょう。

相手が弁護士をつけた場合、あなたは相手の弁護士と交渉をしなければなりません。弁護士と渡り合うのは厳しいですし、場合によってはあなたに不利な条件で合意を迫られるかもしれません。

こうした状況を避けるために、相手が弁護士をつけたらあなたも弁護士への依頼を前提にして相談をしたほうがよいでしょう。

財産分与の相談をスムーズに進めるためのコツ

財産分与の相談をスムーズに進めるための3つのコツを紹介します。

離婚したい理由と経緯を整理する

離婚したい理由と経緯を整理しましょう。

何がきっかけで離婚を考えるようになったか、なぜ離婚を決意したのか、離婚をしたい最大の理由は何かを自分なりにまとめてみましょう。

時系列にして紙に書き出すと客観視できるのでおすすめです。

自分と相手が所有する財産の内容を把握する

自分と相手が所有する財産の内容を把握しましょう。

双方が所有している銀行口座や株等、不動産、車などを一覧にし、相談時に持参すると、話がスムーズに進みます。

欲しい財産・譲れる財産を明確にする

欲しい財産と譲れる財産を明確しておきましょう。

絶対に譲れない財産と譲れる財産を明確にしておけば、弁護士に相談する際に、より具体的なアドバイスを受けやすくなります。

★補足★

これらの準備が全て整っていなくても、弁護士への相談は可能です。
まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

財産分与をはじめとして、離婚は決めなければならないことがたくさんあり、頭を悩ませる問題が山積みです。

そのため、多くの方々が弁護士のアドバイスを得て円満に問題を解決しています。

万が一調停・裁判になった場合、一人で立ち向かうのはストレスも多く生活も脅かされます。できるだけ早期に弁護士に相談し、離婚問題を乗り越えましょう。

ネクスパート法律事務所には、多数の離婚問題を解決した実績のある弁護士が在籍しています。初回相談は30分無料ですので、お気軽にお問合せください。