配偶者の不倫等により離婚の危機に陥ったものの、一度は許し将来や子どものことを考えて夫婦関係の再構築を試みた人がいらっしゃると思います。

しかし、やっぱり配偶者が許せずに離婚を決断する方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、夫婦関係の再構築を試みたものの、やっぱり離婚したいと考えたとき何をすべきか解説します。

再構築を試みたけどやっぱり離婚したい場合にすべきことは?

夫婦関係の再構築を試みたけれど、やっぱり離婚したい場合にすべきことは以下の3点です。

離婚後の生活の見通しを立てる

離婚後の生活の見通しを立てましょう。

どのように生活をしていくのか、どこに住むのか、離婚後の生活を具体的にシミュレーションする必要があります。

仕事をしていない人、パートタイムで働いている人は、生活をしていくためにフルタイムの仕事を探さなくてはいけません。住む場所については、実家に戻れる人はいいですが、事情があって戻れない人は部屋を探す必要があります。

こうした生活に直結する一つひとつのことを検討し、離婚しても自分の力でやっていけるかどうか、客観的に見つめましょう。

配偶者が離婚原因を作ったのであれば、慰謝料や財産分与について妥協することなく交渉しましょう。

これらは離婚後の生活を安定させるために大切ですので、自分がいくらもらえる権利があるのか、弁護士に相談しながら進めることが賢明です。

子どもの転校の要否や転校先を確認する

未成年の子どもがいる場合、どもの転校の要否や転校先を確認しましょう。

実家へ戻るなどの事情で校区が変わるのであれば、転校が避けられないケースがありますので、早めに動きましょう。特に保育園や幼稚園は、引っ越し先に空きがなければ入園できないので気を付けましょう。

小学校・中学校の場合は、以下の手順を踏まなければいけません。

  1. 現在の学校に転校する旨を伝え、在学証明書・教科書給与証明書を取得する
  2. 転校する日が決まったら、早めに転校先の学校に伝える
  3. 引っ越し先で転入手続き後、転入学通知書が送られるので、在学証明書・教科書給与証明書とともに転校先に提出する

高校の場合は、公立と私立で手続き方法が変わってきます。公立高校の場合は都道府県によって手続きが異なるため、事前に転校先の教育委員会に問い合わせましょう。私立中学・高校の場合は、都道府県の私立中学・高等部学校協会へ問い合わせしましょう。

離婚原因となった証拠を確保する

配偶者が離婚原因を作った場合、慰謝料請求のために証拠を確保しましょう。

配偶者が不倫をした、DVやモラハラをしたなどの事情がある場合、納得できる慰謝料を獲得するには、それを証明する証拠の提示が必要です。

離婚を踏みとどまった際に、証拠を捨てずに残してあるなら良いのですが、処分してしまったのなら新たに集めなければいけません。万が一夫婦生活を再構築後、これまでと同じように配偶者が不貞行為をしたりDVやモラハラをしていたりするのであれば、それらの証拠を集めておきましょう。

不倫した配偶者との再構築後の離婚でも慰謝料を請求できる?

配偶者の不倫発覚後、再構築を試みたものの夫婦関係を修復できず、離婚に至った場合でも、時効が成立していなければ慰謝料を請求できる可能性があります。

不倫相手には不倫の事実と相手を知った時から3年以内なら請求できる

配偶者に不倫をされた場合、倫の事実と不倫の相手を知った時から3年以内であれば、不倫相手に対して慰謝料を請求できます。

もっとも、夫婦関係再構築の前提として、不倫発覚時にすでに不倫相手に慰謝料を請求して示談が成立している場合は、示談後も不倫関係が継続している場合を除き、原則として追加請求は認められません。

配偶者には離婚成立日から3年以内なら請求できる

配偶者に対しては、離婚成立日から3年以内であれば慰謝料請求ができます。

離婚慰謝料の請求権は、配偶者の不倫により離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことを理由として慰謝料を請求する場合でも、その消滅時効は離婚の成立とともに開始すると考えられています。

もっとも、以下のような場合は、慰謝料請求が認められないこともあります。

  • 再構築により夫婦関係が修復したものの全く別の理由で離婚に至った場合
  • 不倫相手から受領した慰謝料によって既に精神的損害が慰謝されているといえる場合

再構築の事実が離婚慰謝料の金額に影響することはある?

夫婦関係をいったんは再構築しようと努めたことが、離婚慰謝料の金額に影響するのかどうか、以下で解説します。

不倫発覚後すぐに離婚した場合よりは金額が低くなる可能性はある

配偶者の不倫発覚後すぐ離婚した場合より、慰謝料の金額が低くなる可能性があります。

離婚慰謝料は以下のようなさまざまな要素を考慮して、総合的に算定されます。

  • 婚姻関係が破綻した経緯
  • 有責行為の態様・程度・期間
  • 関係修復への努力の有無

関係修復への努力の有無

  • 婚姻生活への誠実さ・協力の程度
  • 夫婦の年齢・職業・経済状態
  • 離婚による経済的不利益など

不倫をした配偶者が真摯に反省し夫婦関係の修復に努めていたことが認められる場合は、慰謝料の金額を算定する際に考慮される可能性があります。

再構築中に配偶者が再び不倫をした場合は増額する可能性がある

夫婦関係の再構築中に配偶者が再び不倫をした場合は、慰謝料が増額する可能性があります。

不倫をした配偶者を許して夫婦関係を再構築しようとしたことに対する悪質な裏切りで、反省がみられないと判断される可能性が高いです。

この場合、再構築後に不倫をしていたと証明できる証拠を確保しましょう。

夫婦関係再構築後に離婚する際は弁護士に相談を

夫婦関係を再構築後に離婚する際は、弁護士への相談をおすすめします。

再構築を試みたものの、どのような事情で離婚を決断したのか理由は人それぞれです。場合によっては、夫婦の話し合いではまとまらない複雑なケースがあると思いますので、弁護士を代理人にして交渉したほうがスムーズに進む可能性があります。

再構築後に配偶者が再び不貞行為やDV・モラハラをした場合は、納得できる慰謝料が得られるように弁護士に間に入ってもらったほうがよいでしょう。

まとめ

不貞行為をした配偶者を許して夫婦関係の再構築を試みたものの、やはり裏切った配偶者が許せない…と心がついていかず離婚に至るケースは少なくありません。

二度とDVをしないと約束したにも関わらず、再構築後に再び配偶者から暴力を振るわれる人もいるでしょう。

こうしたことによって心の傷はより深くなり、精神的ダメージが大きくなります。そのような状態で離婚手続きを一人で進めていくのはおすすめできません。このような状況に陥った場合は、躊躇なく弁護士の力を借りましょう。

ネクスパート法律事務所は、離婚全般に強い弁護士が在籍しています。それぞれのお悩みに寄り添ったアドバイスが可能ですので、一度ご相談ください。

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