離婚調停中でやむを得ず配偶者と別居し、子どもと離れて暮らしている人は、二度と子どもに会えなくなってしまうのでは…と不安に思っていらっしゃることでしょう。

この記事では、離婚調停中でも面会交流が可能かどうか、万が一相手に面会交流を拒否された場合の対処法についても解説いたします。

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離婚調停中に面会交流は可能か?

離婚調停中でも、特段の事情がない限り面会交流は可能です。

面会交流は離婚後にするものだと思うかもしれませんが、離婚前でも子どもと離れて暮らす親に対して認められます。

面会交流は子どものために行われるものなので、子どもの利益を優先して計画し、生活面に支障が出ないように会う回数や時間、場所などを決定します。夫婦間で、そんな約束はしていないなどとトラブルにならないように、曖昧な決め方ではなく具体的に月に会う回数や時間や場所について話し合っておきましょう。

特段の事情がある場合、面会交流が拒否されるケースがあります。

具体的には以下に該当する場合です。

  • 子どもが会うのを嫌がっている
  • DVや子どもに対する虐待が離婚原因となっている
  • 子どもを連れ去る危険性がある

子どものために行われる面会交流ですので、子どもが積極的に会いたいと考えていないなら強制されるべきではありません。子どもが面会交流を嫌がる場合には、子どもの年齢や面会を嫌がる背景事情などを総合的に考慮して、真意を慎重に探りましょう。

子どもが傷つくおそれがあるのなら、身の危険を考慮しないで面会交流を行うべきではないと判断されることもあります。

いずれの場合も、子どもの福祉に反すると判断される場合には、面会交流の拒否が認められます。

離婚調停中に面会交流を続けるための注意点は?

離婚調停中に面会交流を滞りなく続けるためには、いくつかの注意すべき点があります。

監護親に相談なく無断で子どもに会わない

監護親に相談をしないで無断で子どもに会うのはやめましょう。

離婚をする親は、子どもに対して申し訳ない気持ちを持つ人が多いといわれています。子どもから要望があればすべて聞いてあげたいと思うこともあるでしょう。

しかし、面会交流に関しては、監護親の意向を確認しないで勝手な行動をとると、トラブルに発展するケースがあります。

面会交流中に、子どもから「もっと会いたい。」、「〇〇へ行きたい。」などと言われたら、その気持ちに応えてあげたいという思いをグッと抑え、「お母さん(お父さん)に相談してから決めようね」と答えましょう。

子どもを連れ去らない

面会交流中に子どもを連れ去るのは絶対にやめましょう。

離婚調停中は、正式に離婚が成立したわけではないので、父親と母親は共同親権があると考えられています。

そのため、親権があることを理由に、面会交流で子どもに会ったのをきっかけに子どもを連れ去ってしまう人がいます。こうした極端な行動をとると、離婚調停で親権や離婚後の面会交流の内容を決めるにあたって不利な状況に立たされる可能性があります。感情的な行動をとるのは、くれぐれも慎みましょう。

乱暴な方法で子どもを連れ去った場合、誘拐罪が成立する可能性があると判断した判例もあります(最高裁平成17126日判決)。

子の監護親として不適切な点があれば、子の監護者指定調停の申立てを検討しましょう。

子どもに配偶者の悪口を言わない

面会交流中に、子どもに向かって配偶者の悪口を言うのはやめましょう。

親が離婚するのは子どもにとって精神的につらいことです。片方の親からもう一方の親の悪口を聞かされるのは、子どもにとって気持ちの良いものではありませんし、できることなら聞きたくないことです。

どんなに配偶者に落ち度があり不満があっても、子どもにその怒りをぶつけるのは適切な対処法ではありません。最悪の場合、子どもから「もう会いたくない。」と言われてしまう可能性もありますので、慎みましょう。

離婚調停中に面会交流調停の申立ては可能?

離婚調停中でも、面会交流調停の申し立ては可能です。

同一の当事者間で複数の調停が申し立てられた場合、同時に話し合いを進めたほうが効率的なので併合して調停が行われるのが一般的です。

離婚調停中は、とかく離婚問題が話し合いの中心となりがちなので、定期的に子どもと会うルールまで相談できる夫婦は少ないと思います。離婚調停中で思うように子どもに会えず不満があれば、面会交流調停を申し立てる方法を検討してみてもいいかもしれません。

その際は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てるのが原則となっています。

離婚調停中に面会交流を拒否されたら弁護士に相談を

面会交流を配偶者に拒否されたら、弁護士に相談をしましょう。

弁護士に依頼すれば、代理人として直接交渉ができます。当事者同士が顔を合わせると感情的になり、話し合いが進まないケースがありますが、弁護士が間に入ることでこうしたトラブルが避けられます。

離婚調停中は、特に当事者同士がお互いに抱いている感情は良いものではありませんから、第三者が入ったほうがスムーズにことが進むでしょう。面会交流を実現させるために有効な手続きをとることも可能ですし、面会交流調停を申し立てるなら、代理人として手続きが行えます。

面会交流は子どものために行われるものなので、特段の事情がない限りは、どちらかの親が感情に任せて拒否することは相当ではありません。

そうしたことを念頭に置いて、子どものためにも定期的な面会交流が実現するように、弁護士の力を借りましょう。

まとめ

離婚調停中は、夫婦間で最も感情的な対立がある時期だといえます。どちらかが子どもを連れて別居した場合、子どもが配偶者に会うのを快く思わず、面会を拒否するケースもあるでしょう。

忘れてはいけないのは、面会交流は子どものために行うべきものだということです。夫婦間の感情で面会交流を拒否するのは避けるべきことですし、やってはいけないことです。もし監護親に面会交流を拒否されたら、面会交流調停の申し立ても視野に入れましょう。

ネクスパート法律事務所には、さまざまな離婚案件を手掛けてきた弁護士が在籍しています。離婚を考えているけれど配偶者と冷静な話し合いができない、子どもに会いたいのに合わせてくれないなど、悩みを抱えていらっしゃる方は、一度ご連絡ください。

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