ドライブレコーダーは不倫の証拠になる?慰謝料請求された際の対処法

  • 最終更新日: 2024.04.24

ドライブレコーダーとは、映像や音声などを記録する自動車用の車載装置のことです。
主に交通事故における事故状況を記録するために利用されていますが、旅行の際の車窓に広がるドライブの景色や、思い出の記録にも利用できます。

ドライブレコーダーには車外・車内の映像や音声が記録されるため、不倫相手と車を利用した場合、不倫の映像や音声が記録されているおそれがあります。

あなたは今、ドライブレコーダーを搭載しているのに不倫相手と車で出かけてしまった、と焦っているかもしません。
まずは落ち着いて、今後の対応を冷静に検討しましょう。この記事が、今後の対応の参考になれば幸いです。

ドライブレコーダーの記録は不倫の証拠になる?

ドライブレコーダーの記録は、内容と状況によっては不倫の証拠になる可能性があります
実際に、ドライブレコーダーの記録が慰謝料請求の証拠として採用されたケースは少なくありません。

ドライブレコーダーの記録が不倫の証拠になるかどうかは、それぞれのケースにより異なります。不倫を理由に慰謝料を請求する場合、不貞行為すなわち肉体関係があったことを立証する必要があるためです。

ドライブレコーダーの記録が不倫の証拠になりやすいケース・なりにくいケースを、以下で紹介します。
どのような記録であれば不倫の証拠となりえるかの参考にしていだければと存じます。

不倫の証拠になりやすいケース

ドライブレコーダーの記録が不倫の証拠になりやすいケースとして、主に以下の3つが挙げられます。

  • 車内で肉体関係に及んでいることが分かる映像や音声
  • 肉体関係があったことが分かる音声
  • ラブホテルに出入りしたことが分かる映像や音声

車内で肉体関係に及んでいる場面やラブホテルに出入りしたことが分かる録画データがある場合、不倫(不貞行為)を直接立証できる可能性があります

不倫の証拠になりにくいケース

ドライブレコーダーの記録が不倫の証拠になりにくいケースとして、主に以下の2つが挙げられます。

  • キスやハグをしている映像
  • 親密な内容の会話

これらの記録は、不貞行為を直接立証するものではありません。しかし、不貞行為があったと推認させる事実として、間接証拠になる可能性があります

ドライブレコーダーが不倫の証拠になり得る理由

ドライブレコーダーが不倫の証拠になり得る理由は、主に以下の2つです。

  • 映像・音声が記録される
  • GPSのルートが記録される

ドライブレコーダーの種類により異なりますが、ドライブレコーダーには映像・音声を記録する機能や、GPSのルートを記録する機能が備わっています。
ドライブレコーダーの機能について、以下で詳述します。

映像・音声が記録される

ドライブレコーダーの映像・音声の記録が、不倫の証拠になる可能性があります

ドライブレコーダーの種類により異なりますが、ドライブレコーダーには、車外・車内の映像・音声を記録する機能が備わっています。

車内で肉体関係に及んでいる映像・音声が記録されたデータがあれば、不倫(不貞行為)の証拠となる可能性が高いです。

肉体関係を直接証明する映像・音声がなくても、キスやハグ、ラブホテルに出入りする映像や音声がある場合、不倫を推認させる事実として間接証拠になる可能性があります。ラブホテルを利用した際の領収書や、肉体関係があったことを連想させるようなLINEのやり取りと組み合わせることで、不倫の証拠や不倫相手を特定する材料となり得ます。

ドライブレコーダーの映像・音声記録そのものが不倫(不貞行為)の存在を証明する証拠となることや、他の証拠と組み合わせることで、不倫(不貞行為)を推認させる証拠となる可能性があります。

GPSのルートが記録される

ドライブレコーダーのGPSのルートの記録が、不倫の証拠になるおそれがあります

ドライブレコーダーの種類により異なりますが、ドライブレコーダーには、GPS受信機能により、GPSのルートを記録する機能が備わっています。

ドライブレコーダーのGPSとは、人工衛星の電波を受信して撮影日時や位置、速度、走行ルートなどを記録する機能です。ドライブレコーダーのGPSは車で走行した場所の座標を記録し、記録された座標に基づきマップが連動するため、走行したルートが分かります。

ラブホテルに出入りした場合や不倫相手の自宅に頻繁に通っていた場合など、GPSによって記録されたあなたの行動履歴が、不倫の証拠になる可能性があります。GPSの位置情報を分析することで、不倫相手と会っていた場所や時間も特定されるおそれもあります。

GPSに記録されたルートが不倫(不貞行為)の事実や不倫相手を特定する材料となる可能性があります。

 💡 Point 💡
ただし、GPSを利用した証拠収集は、プライバシー権の侵害にあたる可能性があります。
刑事訴訟法が証拠能力について詳細な規定を設けているのに対し、民事訴訟法では証拠能力を制限する規定が設けられていませんが、違法の程度が強い場合には、民事訴訟でも証拠能力が否定される(違法な証拠が使えない)ことがあります。
たとえ裁判で証拠能力が否定されなくても、弁護士がGPSの記録を証拠として提出すると、懲戒処分の対象となり得ます。弁護士がGPSの利用に一切関わっていなかったとしても、依頼者がGPSを使用して取得した位置情報を弁護士が証拠として提出することは、弁護士職務基本規定に違反する行為に該当する可能性があります。
よって、GPSを利用した証拠に基づいて慰謝料を請求された場合は、プライバシー権の侵害の可能性を検討する必要があります。

ドライブレコーダーの記録で不倫慰謝料を請求されたら確認したい3つのポイント

ドライブレコーダーの記録で不倫慰謝料を請求されたら確認したいポイントは、主に以下の3つです。

  • 肉体関係を証明・推認する証拠があるか
  • 不倫前から婚姻関係が破綻していなかったか
  • 相手から肉体関係を強制されていないか

以下で詳述しますので、今後の対応の参考になればと存じます。

肉体関係を証明・推認する証拠があるか

肉体関係を証明・推認する証拠がない場合、原則として慰謝料の支払義務は発生しません

そもそも不倫(不貞行為)とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と肉体関係を結ぶことです。不倫慰謝料を請求する場合は、原則として肉体関係があったことの立証が必要になります。

ただし、肉体関係を証明・推認する証拠がなくても、明らかに社会妥当性の範囲を逸脱する行為がある場合には、慰謝料の支払義務が発生するおそれがあります。たとえ肉体関係がなくても、夫婦生活の平穏を侵害し、精神的苦痛を与えた場合は不法行為が成立する可能性があるからです。

ドライブレコーダーの記録で不倫慰謝料を請求されたら、肉体関係を証明・推認する証拠があるか確認しましょう。

不倫前から婚姻関係が破綻していなかったか

不倫前から婚姻関係が破綻していた場合、原則として慰謝料の支払義務は発生しません

平穏な夫婦の生活という保護の対象となる利益がないためです。ただし、婚姻関係が破綻していたどうかの判断は簡単ではありません。

婚姻関係が破綻していたかどうかの判断は、慎重に行う必要があります。

相手から肉体関係を強制されていないか

脅迫や暴力により、相手から強制されて無理やり肉体関係を持たされた場合、原則として慰謝料の支払義務は発生しません

あなたに責任はないからです。ただし、自分の意思で断れる状況だった場合などは、慰謝料の支払義務が発生するケースもあります。

まとめ

ドライブレコーダーに記録された映像や音声、GPSのルートなどの記録は、不倫の事実や不倫相手を特定する材料になり得ます。ラブホテルの領収証やLINEのやり取りなどの他の証拠と組み合わせることで不倫(不貞行為)の証拠となり、不倫慰謝料を請求される可能性もあります。

ドライブレコーダーの記録で不倫を知られ、慰謝料を請求されてしまったら、ネクスパート法律事務所にお気軽にご相談ください。
ネクスパート法律事務所には、男女問題に関する豊富な知識と経験を有する弁護士が所属しています。あなたの悩みや不安をお聞かせください。解決に向けて、全力でサポートいたします。

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