あなたは今、不倫の慰謝料が高すぎて支払えない、とお困りではありませんか?
目を疑いたくなるほどの高額な不倫慰謝料を請求されて、戸惑っていることとお察しします。
不倫の事実が知られただけでなく、高額な慰謝料を請求された場合、不安や焦りといったネガティブな感情に支配されるのも無理もありません。しかし、慰謝料が高すぎると感じたら、言われるがまま支払う前に落ち着いて今後の対応を考えることが大切です。
この記事では、慰謝料が高額になる要因と対処法を紹介します。慰謝料請求に対応する前に、ぜひご覧ください。
目次
慰謝料が高すぎる!支払わないといけないの?
慰謝料が高すぎると感じたら、言われるがまま支払うことはやめましょう。
不倫をしてしまった罪悪感や早く解決したいという気持ちから、焦って支払ってしまいがちです。しかし、今請求されている慰謝料は、あなたが負担すべき責任を超える金額である可能性があります。
以下で、慰謝料が高額になる主な要因について解説します。高額な慰謝料を請求される根拠があるかどうか確認しましょう。
慰謝料が高額になる7つの要因
慰謝料が高額になる主な要因は、以下の7つです。
- 夫婦の婚姻期間
- 子どもの有無
- 不倫の期間・回数
- 不倫を原因とする離婚の有無
- 不倫による妊娠・出産
- 不倫の主導権
- 不倫発覚後の不誠実な態度
それぞれの要因について、以下で詳しく説明します。
夫婦の婚姻期間
夫婦の婚姻期間が長い場合、慰謝料が高額になる可能性があります。
平穏な婚姻期間が長いほど、不倫によって婚姻関係が破綻した場合の精神的苦痛も大きいと判断されるためです。
子どもの有無
夫婦の間に子どもがいる場合、慰謝料が高額になる可能性があります。
特に未成年の子どもや在学中・障がいなどにより自立して生活ができない子どもがいる場合は高額化します。不倫によって婚姻関係が破綻すると、監護親は一人で子どもを育てる状況になるおそれがあります。子どもの精神面や将来にも大きな影響を与えるでしょう。
夫婦の間に子どもがいる場合、配偶者が不倫によって受ける精神的苦痛は大きいと判断されるため、高額な慰謝料を請求されるおそれがあります。
不倫の期間・回数
不倫が長期間(1年以上)に及ぶ場合や何度(10回以上)も不倫した場合、慰謝料が高額になる可能性があります。
不倫の期間が長い・回数が多いほど、配偶者が不倫によって受ける精神的苦痛は大きいと判断されるためです。
不倫を原因とする離婚の有無
不倫が原因で離婚に至った場合、慰謝料が高額になる可能性があります。
離婚に至った場合は、婚姻関係が回復した場合よりも、精神的苦痛は大きいと考えられるからです。
離婚が成立していなくも、不倫が原因で別居した場合や、離婚調停・離婚訴訟などの法的手続きが進行している場合も慰謝料額の判断基準になり得るため、慰謝料が高額になる可能性があります。
不倫による妊娠・出産
不倫相手が不倫によって妊娠・出産した場合、慰謝料が高額になる可能性があります。
不倫によって妊娠・出産した事実は、配偶者に極めて大きな精神的苦痛をもたらすだけでなく、夫婦の婚姻生活に与える影響が大きいためです。
不倫の主導権
不倫を主導していたのがご自身だった場合、慰謝料が高額になる可能性があります。
積極的に不倫相手に交際を迫った、配偶者に別居や離婚を要求した事実がある場合、あなたに不倫の主導権があり、積極的な加害行為があったと判断されるおそれがあります。
不倫発覚後の不誠実な態度
不倫発覚後の不誠実な態度により、慰謝料が高額になる可能性があります。
不倫発覚後も交際を続けたり、二度と不倫をしないと約束したにも関わらず再び不倫をしたりした場合は、悪質であると判断され、高額な慰謝料を請求される可能性があります。
不倫の事実を認めなかった場合や謝罪しなかった場合も、反省の姿勢が見られないと判断され、慰謝料が増額される可能性があります。
これまでに認められた慰謝料最高額は?
これまでに認められた慰謝料最高額は1500万円といわれています(東京高裁平成元年11月22日判決)。
結婚12年目に夫が不貞行為を行い、妻に対して離婚を請求、妻も慰謝料を請求した事例です。
夫は不貞行為を反省、中止するどころか不倫相手と共に妻に離婚を強要、妻が拒否したことで夫と不倫相手は同棲生活を始めました。その後、不倫相手との間に2人の子どもをもうけて認知しています。夫は妻に対して離婚請求訴訟を提起しましたが敗訴、敗訴確定後も約40年にわたって不倫関係を継続しました。
別居してから40年以上たって離婚が成立しましたが、別居していた約40年間、夫から妻への経済的な支援はありませんでした。
これらの事情を考慮し、有責配偶者である夫の離婚請求を容認し、財産分与として1000万円の支払いのほか、慰謝料1500万円の支払いが認められました。
高額な慰謝料が認められた判例を紹介
高額な慰謝料が認められた、以下の2つの判例を紹介します。
- 岡山地裁平成16年9月14日判決|1000万円
- 東京地裁平成22年9月3日判決|400万円
以下で詳述します。
岡山地裁平成16年9月14日判決|1000万円
夫の度重なる不貞行為と暴力に対する不安に苛まれ、妻が夫に対して離婚及び慰謝料を請求した事例です。
夫の長年にわたる不貞行為と暴力に苦しんでいたが、娘らのことを考え離婚を踏みとどまり我慢していました。子どもらが独立した後、夫から包丁を投げつけられるなどの暴行を受け、身の危険を感じて家を出て約2年程度別居しています。
長年に渡り夫の度重なる不貞行為や暴力に耐えながら2人の娘を養育してきた事実や不貞行為や暴力により受けた精神的苦痛を考慮し、慰謝料1000万円の支払いが認められました。
この事件では、不貞行為そのものよりも、暴力が直接のきっかけとなり、過去の不貞行為により負った精神的苦痛が慰謝料の考慮要素となりました。
東京地裁平成22年9月3日判決|400万円
元妻の不倫が原因で離婚に至ったとして、不倫相手に対し損害賠償を請求した事例です。
6年半におよぶ不倫期間中、週1、2回の頻度で不貞行為を行っており、元妻は被告と交際中に2度も妊娠を中絶していました。それらの事実は慰謝料を増額する要素として考慮する必要があるとして、慰謝料400万円の支払いが認められました。
不倫慰謝料の相場
不倫慰謝料は、不倫が発覚した後の夫婦関係によりが異なります。
不倫が原因で離婚する場合、婚姻関係を継続する場合の2つのケースに分けて紹介します。
不倫が原因で離婚する場合
不倫が原因で離婚する場合、それぞれの状況に異なりますが、不倫慰謝料の相場は100〜300万円程度になります。
離婚は配偶者に多大な精神的苦痛を与えることになるため、高額な慰謝料が認められる傾向にあります。
婚姻関係を継続する場合
婚姻関係を継続する場合、それぞれの状況により異なりますが、不倫慰謝料の相場は50〜100万円程度になります。
不倫をしても婚姻関係が壊れていないのであれば慰謝料の金額が低額になる傾向にあります。
高すぎる慰謝料を請求された場合の対処法
高すぎる慰謝料を請求された場合、弁護士に相談・依頼して、減額交渉を任せることをおすすめします。
高額な慰謝料を請求されたら、不安や焦りから不用意な発言をしたり、感情的な行動をとってしまったりしがちです。ご自身で対応すると、事態をより悪化させることにもなりかねません。
高額な慰謝料を請求されても慌てる必要はありません。「慰謝料300万円請求されて認められたケースは約6%しかない」の記事で述べているとおり、実際の裁判例においても、300万円以上の慰謝料を請求されたケースのうち、約95%が減額に成功しています。
弁護士は交渉のプロです。豊富な法的知識やこれまでの経験から減額事由を見つけ出し、適正な金額まで減額するよう交渉してくれるでしょう。
弁護士に依頼すると、減額交渉をはじめ、相手方とのやり取りを全て弁護士が対応してくれます。弁護士に依頼することで、相手方とやり取りするストレスからも解放されます。
まとめ
請求された不倫慰謝料が高すぎると感じたら、正当な金額まで減額するよう交渉しましょう。ご自身での対応に不安があるなら、なるべく早期に弁護士に相談することをおすすめします。
高額と感じる基準は人によって異なりますが、本記事をご覧いただくと300万円を超える慰謝料は高額と感じる方が多いのではないでしょうか。
実務において、請求額として最も多いのが300万円台とも言われていますが、請求額がそのまま認められるケースは少ないです。300万円以上の慰謝料を請求された場合は、弁護士への減額交渉の依頼も積極的に検討してみると良いでしょう。
高額な慰謝料を請求されてお困りの方は、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。弊所は不倫問題について10,000件以上のご相談をいただいているため、減額交渉について豊富な実績と経験があります。
初回相談30分無料です。あなたの悩みをぜひお聞かせください。