この記事を読んでくださっているあなたは、不倫をしてしまい裁判になってしまった、もしくは、裁判を起こされそうな状況ではないでしょうか。
裁判で嘘の内容を話してもバレなければ大丈夫では?と思っていませんか。
たしかに、不倫の内容を正直に話すのは抵抗があることと思います。しかし、裁判で嘘の内容を話すことは大きなリスクを伴うことになりかねません。
この記事では、不貞裁判で噓の内容を話した場合のリスクとその理由を解説しています。ぜひ参考にしてください。
目次
不貞裁判で嘘の内容を話すことはやめましょう
不貞裁判で嘘の内容を話すことはやめましょう。
不貞行為をしたことが事実であるならば、嘘をつかない方がよいでしょう。
なぜなら、不貞裁判が起こされているということは、相手も不貞行為を立証できるだけの自信があると考えるのが普通です。相手に代理人弁護士がついている場合には、あらゆる手段で不貞行為を立証してくることが考えられます。
ですから、嘘の内容を話すことを考えるのではなく、まずは、誠実な対応をとることを前提に、なるべくあなたにとって不利な判決にならないような行動をとることをおすすめします。
不貞裁判で嘘の内容を話した場合の3つのリスク
不貞裁判で嘘の内容を話した場合、次のようなリスクが生じます。
- 支払わなければならない慰謝料が増額するおそれがある
- 本人尋問で嘘の内容を話した場合、過料に処される場合がある
以下、詳しく見ていきましょう。
支払わなければならない慰謝料が増額するおそれがある
支払わなければならない慰謝料が増額するおそれがあります。
あなたの供述が嘘であるとバレた場合には、裁判官のあなたに対する印象は悪くなるでしょう。判決をするうえで、裁判官の心証にマイナスな影響を与える一つの要因になると考えられます。
その場合、判決での慰謝料が増額する可能性があります。
本人尋問で嘘の内容を話すと過料に処される場合がある
本人尋問で嘘の内容を話すと、過料に処される場合があります。
裁判で本人尋問を行う場合は、原則、宣誓の手続きをします。宣誓の手続きは、良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓う手続きです。
宣誓をした当事者が虚偽の陳述をした場合は、10万円以下の過料に処される可能性があります。
(虚偽の陳述に対する過料)
第二百九条 宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。
不貞裁判で話した内容が嘘だとバレる3つの理由
不貞行為の証拠がなければ、嘘の内容を話しても大丈夫では?と思う人もいるでしょう。
しかし、次の3つの理由で、嘘を見抜かれるおそれがあります。
- 不倫相手が証拠を残している
- 探偵の調査報告書がある
- 裁判の場でのあなたや不倫相手の供述も証拠になる
以下、詳しく見ていきましょう。
不倫相手が証拠を残している
1つ目の理由は、不倫相手が証拠を残している可能性があるからです。
あなたが不倫の証拠を残していなくても、不倫相手が不倫の証拠を残している可能性は十分にあります。
例えば、携帯の写真やLINEの履歴を消し忘れている可能性や、既に不倫相手の配偶者にそれらのデータを見られて、記録として残されている可能性もあります。
ですから、自分は不倫の証拠を残していないし、不倫相手も消したと言っていたから大丈夫だろうと安易に考えるのは危険です。
探偵の調査報告書がある
2つ目の理由は、探偵の調査報告書がある可能性があるからです。
不倫の証拠を集めるために探偵に調査を依頼することはよくあることです。
探偵の調査報告書は、第三者であること、かつ、調査の専門家であることから、客観的な証拠であり、説得力のある証拠であるとして、かなり強力な証拠になるでしょう。
裁判の場でのあなたや不倫相手の供述も証拠になる
3つ目の理由は、裁判の場でのあなたや不倫相手の供述は裁判の証拠になるからです。
不倫相手が、裁判の場で不貞行為があったことを認める供述をした場合、それは証拠になります。なぜなら、不貞行為があったという自分に不利益な事実を自ら供述しているということは、その供述の信用性が高い、つまりその供述が事実である可能性が高いと考えられるからです。
不貞裁判で友人に嘘の内容を証言してもらうのはNG?
不貞裁判で友人に嘘の内容を証言してもらうのはやめましょう。
裁判の当事者本人は嘘の内容を話すとリスクを伴うのは理解したけど、友人に嘘の証言を頼む場合には、友人は裁判の当事者には該当しないから大丈夫では?と考える人もいるかもしれません。しかし、それは大きな間違いです。
友人の場合は、裁判の当事者以外であることから、証人に該当します。
証人が嘘の内容を話した場合には、偽証罪が成立する可能性があります。
偽証罪とは
偽証罪の成立要件として、刑法は次の3つの要件を定めています。
- 証人であること
- 法律により宣誓したこと
- 虚偽の陳述をしたこと
(偽証)
第百六十九条 法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
民事裁判でも偽証罪が成立し得る
民事裁判でも偽証罪が成立する場合があります。
自らの記憶に反した事実を意図的に証言した場合であれば、偽証罪が成立する可能性があるでしょう。
例えば、あなたが友人に対して、不倫相手が既婚者であることを話し、友人がそのように記憶していたにもかかわらず、友人が、あなたが不倫相手のことを既婚者であると知らなかった旨の証言をすれば、それは自らの記憶に反した事実に該当します。
ですから、不貞裁判で友人に嘘の内容を証言してもらうことは、当事者本人よりもさらに大きなリスクを伴うことになるので、絶対にやめましょう。
まとめ
この記事を読んでくださった方は、裁判で嘘の内容を話した場合には、大きなリスクを伴うことがおわかりいただけたかと思います。
不倫の事実が本当であるならば、嘘を付くことを考えるのではなく、できる限りあなたに不利にならないような解決を目指すことをおすすめします。一人では不安がある場合には、弁護士としてお手伝いできることがあるかもしれません。
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