これから裁判所での尋問を控えている方は、緊張と不安でいっぱいですよね。
尋問では何を聞かれるのだろう?上手く答えられなかったらどうしよう?こんな疑問や不安を抱えていることと思います。
尋問の手続きは、あなたの主張を聞いたり、それに対して裁判官が質問をしたりするものであって、あなたを問い詰めたり責めたりする手続きではないのでそこは安心してください。
この記事では、不貞裁判の尋問でよく聞かれる質問や尋問に臨む上での心構えについて紹介しています。
目次
不貞裁判の尋問では何を聞かれる?よく聞かれる5つの質問
不貞裁判の尋問で何を聞かれるかは、その裁判で何が争点となっているかによりますが、よく聞かれる質問は次の5つです。
- 相手とはいつから肉体関係を持つようになったか
- 相手とはいつ、どのような経緯で知り合ったか
- 相手が既婚者であることを知っていたか
- 相手夫婦の夫婦関係についてどのような認識だったか
- 相手と今後も交際を続けていくつもりか
以下、詳しく見ていきましょう。
相手とはいつから肉体関係を持つようになったか
1つ目は、相手とはいつから肉体関係を持つようになったかです。
不貞裁判の尋問で必ず聞かれる質問でもあります。なぜなら、不貞裁判の大きな争点の1つが不貞行為の有無であるケースが多いからです。
そのため、不貞行為の有無やその時期についての質問がされます。その期間や頻度について具体的に聞かれることも多いでしょう。
相手とはいつ、どのような経緯で知り合ったか
2つ目は、相手とはいつ、どのような経緯で知り合ったかです。
当事者の一方が積極的に誘ってきたからといって、他方の当事者の不法行為責任を免れるわけではありませんが、不貞行為に至った経緯等については、裁判官の心証に何らかの影響を与える一つの要因になると考えられています。
不貞行為の開始・継続において、どちらが積極的(主導的)であったかは、慰謝料額の算定において考慮される事情となることもあります。
具体的には、どこで接点があったかやどちらから誘ったのかを聞かれることが多いでしょう。
相手が既婚者であることを知っていたか
3つ目は、相手が既婚者であることを知っていたかです。
あなたが相手のことを既婚者であると知っていたかどうかは、不貞裁判において重要なポイントになります。なぜなら、不貞行為に基づく慰謝料を請求するには、不法行為の成立が必要になりますが、その成立にはあなたの故意・過失、つまり相手が既婚者であることを知っていたこと、または既婚者であることを知らなかったとしてもそこに不注意があったことが必要です。
そのため、あなたが交際当時、相手のことをどのような認識でいたかについて具体的に聞かれることが多いでしょう。
相手夫婦の夫婦関係についてどのような認識だったか
4つ目は、相手夫婦の夫婦関係についてどのような認識だったかです。
あなたが相手と不倫関係にあった当時、相手夫婦の婚姻関係は既に破綻していたかも重要なポイントになります。また、婚姻関係は既に破綻しているような発言、例えば「妻とは離婚の話を進めている。」といった発言が相手からあったかについて具体的に聞かれることも多いでしょう。
相手と今後も交際を続けていくつもりか
5つ目は、相手と今後も交際を続けていくつもりかです。
今後の関係だけではなく、現在の関係について聞かれることも多いでしょう。この質問に関しては、今後一切関わらないことを主張する方が良いでしょう。裁判になった以上、今後も相手との関係を続けていくことは難しいです。あなたに不利益な判決にならないためにも、相手との今後の関係についてはしっかりと考え、発言する必要があります。
不貞裁判における尋問手続きの主な流れ
不貞裁判の場合、当事者双方の主張や証拠が出揃った段階で、一度裁判官から和解勧告される場合がほとんどです。
しかし、その時点で和解が成立しない場合には、通常尋問期日が指定され、原則、本人尋問、すなわち原告本人と被告本人の尋問が行われます。
尋問手続きは、以下の順番で質問されます。
- あなたの代理人弁護士(主尋問)
- 相手方の代理人弁護士(反対尋問)
- 裁判官(補充尋問)
不貞裁判で尋問に臨む上で大切な3つのポイント
不貞裁判で尋問に臨む上で大切なポイントは次の3つです。
- 嘘偽りなく正直に話す
- 感情的にならず冷静に話す
- 事前に代理人弁護士としっかり打ち合わせをする
以下、詳しく見ていきましょう。
嘘偽りなく正直に話す
嘘偽りなく正直に話しましょう。
裁判官は、あなたの言動や表情、態度をしっかりと見ています。あなたの発言と既に裁判所に提出されている書面での主張や証拠との矛盾がないかも確認しています。
あなたが嘘をつくと、今までの主張や証拠と矛盾が生じるかもしれません。その場合、あなたに不利益な心証を裁判官に与えます。
尋問を行う前には、原則、宣誓の手続きをします。宣誓の手続きは、良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓う手続きです。宣誓をした当事者が虚偽の陳述をした場合は、過料に処される可能性があります。
ですから、尋問では嘘偽りなく正直に話すことが大切です。
感情的にならず冷静に話す
感情的にならず冷静に話しましょう。
相手方代理人弁護士は、あなたを動揺させようと意地悪な聞き方をしてくるかもしれません。それに対して、あなたが感情的になってしまうお気持ちもわかります。
しかし、感情的になってしまうとしっかりとした受け答えができなくなり、聞かれていないことまで話してしまうこともあります。その結果、あなたに不利な発言を引き出されてしまうこともあります。
ですから、感情的にならず冷静に落ち着いて話すことが大切です。
事前に代理人弁護士としっかり打ち合わせをする
事前に代理人弁護士としっかり打ち合わせをしましょう。
法廷の場に立つと、どうしても緊張してしまうものです。代理人弁護士と事前にどんな質問をする予定か?それに対して、どのような回答をするべきか十分な打ち合わせをし、練習しておきましょう。
相手方からどのような質問がされるかを想定して尋問に臨むことも大切です。
不貞裁判の尋問期日には裁判所に行かなければならない?
不貞裁判の尋問期日には原則、当事者本人が裁判所に行く必要があります。
以下、その理由と例外を詳しく説明します。
原則、本人尋問は当事者本人が行く必要がある
不貞裁判の尋問期日には原則、当事者本人が行く必要があります。
なぜなら、尋問期日はあなたに対して裁判官や弁護士が質問をする場だからです。弁護士がついているか否かに関わらず裁判所に行く必要があります。
本人尋問以外の期日の場合には、弁護士がついていれば、原則、本人が裁判所に行く必要はありません。
尋問前に和解が成立した場合は不要になる
不貞裁判では、尋問手続きの前に裁判官から和解勧告される場合が多くあります。
この時点で和解が成立すると、裁判は終わりますので尋問手続きをする必要がなくなり、裁判所に行く必要もなくなります。
不貞裁判の尋問期日では相手方本人と顔を合わせることになる?
本人尋問は当事者本人が行く必要があることから、相手方本人と顔を合わせることになります。
しかし、互いに代理人弁護士がついている場合、反対尋問では、代理人弁護士からあなたに質問されることになるため、相手方本人と直接話をすることは通常ありません。
まとめ
不貞裁判における尋問の手続きは、あなたにとって大きな負担となることと思います。
尋問手続きをあなた一人で行うことは簡単なことではありません。ですが、弁護士としっかりと準備をして臨めば、尋問手続きもそこまで不安になる必要はありません。
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