浮気相手が弁護士をつけてきた!慰謝料請求を自分でするのは難しい?

  • 最終更新日: 2024.10.2

浮気相手に慰謝料請求の連絡をしたところ、突然、相手が弁護士をつけてきた!なんてこともありますよね。
「自分も弁護士をつけた方が良い?」
「自分ひとりでは慰謝料請求できない?」
「弁護士と話をするのは怖い。」
弁護士相手に交渉することに不安を抱えていることと思います。

もちろんあなたひとりで対応できないわけではありませんが、弁護士をつけた方が良いケースも多くあります。

この記事では、主に以下の点を解説しています。

  • 弁護士をつけるべきかどうかの判断基準
  • 相手が弁護士をつけてきた場合に考えられる7つの反論
  • あなたひとりで対応する3つのデメリット

ぜひ参考にしてください。

浮気相手が弁護士をつけてきた場合に自分も弁護士をつけるべきかどうかの判断基準

浮気相手が弁護士をつけてきた場合に自分も弁護士をつけるべきかどうか悩むことと思います。
当事者同士で話そうと思っていたのに、突然弁護士から連絡が来たら、どうしたらいいか焦ってしまいますよね。

弁護士をつけるべきかどうかは、①あなたがどの程度の慰謝料を希望しているか、②相手が不貞行為に関してどのような主張をしているかの2点を考慮して判断しましょう。

基本的には弁護士をつけた方がよい

できるだけ多くの慰謝料を獲得したい、相手が請求に対して何らかの反論をしている場合などは、弁護士をつけることをおすすめします。
弁護士に依頼することで、相手との交渉を全て任せられます

相手が弁護士をつけている場合には、専門的な知識に基づいて、法的な反論や減額事由を主張してくるでしょう。
あなたひとりで対応した場合、相手の弁護士に上手く言いくるめられてしまい、「思っていた慰謝料を請求できなかった!」ということにもなりかねません。

弁護士に依頼すれば、きちんとした算定根拠をもとに、こちらの請求している慰謝料額が妥当であることを主張してくれます。

相手が弁護士をつけてきた場合には、あなたも弁護士をつけたほうが安心でしょう。

ご自身で対応してもよい2つのケース

ご自身で対応してもよいケースは、次の2つです。

  • 請求する金額が小さい
  • 相手が不貞を認め、慰謝料を支払う意思がある

以下、詳しく見ていきましょう。

請求する金額が小さい

請求する金額が小さいケースです。

弁護士に依頼した場合には、弁護士費用がかかります。
請求する金額が小さい場合は、たとえ思ったとおりの慰謝料が獲得できたとしても、弁護士費用を差し引くと、ほとんど手元に残らないといったことにもなりかねません。

請求する金額が小さい場合には、ご自身で対応するのも一つの選択肢になるでしょう。

相手が不貞を認めて慰謝料を支払う意思を示している

相手が不貞を認めて慰謝料を支払う意思を示しているケースです。

相手が弁護士をつけてきたということは、何かしらの反論ないし減額の要求があるのがほとんどでしょう。

しかし、不貞を認め、慰謝料を支払う意思はあるものの、直接交渉したくないことから、弁護士をつけていることも考えられます。このような場合には、あなたひとりで対応できる場合があります。

請求どおりの金額で反論はないけれど、一括での支払いが難しいとして分割払いを希望してくるケースも考えられます。このような場合にも、あなたひとりで対応できるでしょう。

自分で対応する場合には、今後のトラブルを避けるために、話し合いがまとまったら、示談書を作成するようにしましょう。

浮気相手が弁護士をつけてきた場合に考えられる7つの反論

浮気相手が弁護士をつけてきた場合に考えられる反論は、次の7つです。

  • 不貞行為の事実そのものがない
  • 既婚者であると知らなかった
  • 無理やり関係を持たされた
  • 離婚すると聞いていた
  • 時効が完成している
  • 慰謝料が高すぎる
  • 配偶者にも責任がある

以下、詳しく見ていきましょう。

不貞行為の事実そのものがない

不貞行為の事実そのものがないと反論してくる場合があります。

相手が不貞行為の事実そのものを否定している場合には、慰謝料を請求する側であるあなたが、不貞行為があったことを証明する必要があります。

たとえ不貞行為が事実であったとしても、あなたに確固たる証拠がないだろうと考えて、不貞行為の事実を否定している可能性も考えられます。

不貞行為があったことを証明する証拠には、次のようなものがあります。

  • ラブホテルや不倫相手の自宅に出入りしている写真や動画
  • メールやLINEでのやり取りの履歴
  • ドライブレコーダーの会話記録
  • ラブホテルに宿泊した際の領収書やクレジットカードの明細
  • 探偵の調査報告書

不貞行為の事実を認めているか否かにかかわらず、証拠は交渉を有利に進めるうえで重要になります。

できるだけ多くの証拠を集めておくようにしましょう。

既婚者であると知らなかった

既婚者であると知らなかったと反論してくる場合があります。

不法行為が成立するためには、加害者の故意または過失が必要です。

相手が既婚者であることを知らなかった場合には、故意がありませんから、不法行為が成立しません。
しかし、交際中の言動や態度により普通の人なら既婚者であることに気付くような場合には、過失があったとして、不法行為が成立します。

既婚者であると知らなかったと反論してくる場合には、配偶者と相手の接点やメール等のやり取りから、既婚者であると知っていた、もしくは既婚者であると知ることができたことを立証する必要があります。

配偶者が相手に独身であると偽っていた場合には、相手から配偶者に対して貞操権侵害を理由に慰謝料請求される可能性があります。貞操権とは自分が性的関係を持つ相手を自分で決める権利のことをいいます。

既婚者が独身であると偽っていた場合には、自由な意思決定を侵害したとして、不法行為が成立する可能性があります。例えば、マッチングアプリで出会い、既婚者であることを伝えず、結婚を前提に交際をしていたような場合には、貞操権侵害を理由に慰謝料請求される可能性が高いでしょう。

配偶者が、相手に対し独身であると偽っていた場合には、相手から配偶者に対して慰謝料請求される可能性がありますので注意しましょう。

無理やり関係を持たされた

無理やり関係を持たされたと反論してくる場合があります。

不法行為が成立するには、自分の意思で肉体関係を持っていたことが必要です。
ですから、暴行や脅迫により、強制的に肉体関係を持たざるを得なかった場合には、不貞慰謝料の支払い義務が生じません。
場合によっては、配偶者が刑事告訴される可能性もあるでしょう。

強制的とまではいかなくても、配偶者側から積極的にアプローチしていた等の事情がある場合には慰謝料の減額事由になるでしょう。

離婚すると聞いていた

離婚すると聞いていたと反論してくる場合があります。

不法行為が成立するには、不貞行為により夫婦の婚姻関係が破綻したことが必要です。
不貞行為よりも前に婚姻関係が完全に破綻していたような場合には、不貞慰謝料の支払い義務が生じません。

夫婦関係が完全に破綻していなくても、相当程度悪化していた場合には慰謝料の減額事由になるでしょう。

時効が完成している

時効が完成していると反論してくる場合があります。

不貞慰謝料の時効は次のいずれかの期間が経過すると成立します(民法724条)。

  • 不貞行為の事実及び相手を知った時から3年
  • 不貞行為があった時から20年

既に時効が成立している場合には、慰謝料請求が認められません。

相手が時効に関する主張をしてきた場合には、早めに弁護士に相談しましょう。
時効完成の有無の判断には、専門的な知識を要します。時効が差し迫っている場合には、早急な対応が必要になりますから、弁護士への相談をおすすめします。

不貞の慰謝料請求の時効に関する詳しい内容は、「不貞行為の慰謝料請求はいつまで?起算点や時効が近い時の対処法」の記事を参照ください。

慰謝料が高すぎる

慰謝料が高すぎると反論してくる場合があります。

多くの場合、慰謝料の減額を主張してくるでしょう。
不貞慰謝料の相場は、過去の判例をもとにおおむね決められていますから、あなたの場合にはどの程度の金額が妥当であるかを把握しておきましょう。

次のような事由がある場合には、慰謝料の増額を主張できる可能性が高いですから、慰謝料増額事由の存在とその根拠を説明できるようにしましょう。

  • 夫婦の婚姻期間が長い
  • 夫婦の間に幼い子どもがいる
  • 夫婦が離婚した
  • 不貞行為の期間が長い
  • 謝罪が無い
  • 不倫相手が妊娠している
  • 不貞行為された側がうつ病等に罹った

不貞行為をしたにもかかわらず減額を要求してくるなんて納得いかない!と感じることでしょう。ですが、怒りに任せて相手と交渉するのは避けましょう。感情的になるあまりに、余計なことまで言ってしまい、あなたが不利な状況に置かれることもあります。

あなたに有利な結果にするためにも、交渉は冷静に行うことが重要です。

配偶者にも責任がある

配偶者にも責任があると反論してくる場合があります。

そもそも、不貞行為をした配偶者と浮気相手は共同不法行為者に該当します。つまり、共同で慰謝料の支払い義務を負っています

浮気相手のみに慰謝料請求した場合、浮気相手は慰謝料を支払った後で、共同で責任を負っている配偶者に対して、責任割合に応じた額の支払いを請求できます。この権利を、求償権といいます。
責任割合は必ず半々になるわけではなく、浮気が始まった経緯やどちらが交際に積極的であったか等の事情を考慮して決められます。

交渉の段階で、配偶者にも責任があると反論された場合には、求償権の放棄を含めて、どれくらいの慰謝料額が妥当であるかを話し合うことになるでしょう。

浮気相手が弁護士をつけてきた場合に自分ひとりで対応するデメリット3選

浮気相手が弁護士をつけてきた場合に、自分ひとりで対応するデメリットは次の3つです。

  • 弁護士とのやり取りが精神的に大きなストレスになる
  • 不利になる可能性が高くなる
  • 裁判になった場合には1年近く自分で対応する必要がある

以下、詳しく見ていきましょう。

弁護士とのやり取りが精神的に大きなストレスになる

自分で対応する場合には、あなたが相手の弁護士と直接交渉することになるでしょう。

頻繁に連絡を取り合う必要があり、時間もそれなりにかかります。

ただでさえ不倫をされたことで精神的に大きな負担がある状態で、さらに相手は法律の専門家であり交渉のプロですから、弁護士とのやり取りが精神的に大きなストレスになる方もいるでしょう。

不利になる可能性が高くなる

慰謝料請求をするには、あなたの主張する慰謝料額が妥当である根拠と証拠を示す必要があります。

根拠や証拠が不十分な場合には、相手は弁護士ですから、その部分を指摘してくるでしょう。弁護士に言われるがままになったり、丸め込まれてしまったりする可能性もあります。

あなたがしっかりと根拠を説明できなければ、交渉が不利に進んでしまう可能性があるでしょう。

裁判になった場合には1年近く自分で対応する必要がある

交渉がまとまらなかった場合には、裁判で争うことになります。

弁護士がついている場合には、原則、あなた自身は裁判所に行く必要がありません。しかし、あなたひとりで対応する場合には、裁判所への出頭、主張書面や証拠書面の準備等すべて行う必要があります。

裁判は1年近くかかることもありますから、時間的にも精神的にも大きな負担になるでしょう。

まとめ

浮気相手が弁護士をつけてきた場合には、一度弁護士への相談をしてみることをおすすめします。無料相談を活用して、複数の事務所の費用を比較してみるとよいでしょう。

ネクスパート法律事務所では、これまで不貞慰謝料に関して、10,000件を超えるご相談が寄せられています。
初回の相談は30分無料で行っていますので、ぜひ一度ご相談ください。

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