薬機法の概要

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薬機法の趣旨

薬機法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的としています。

また、その趣旨の一つとして、健康食品等の販売であっても、疾病に効果があるかのように広告されることにより、これを信じて服用する一般消費者に、正しい医療を受ける機会を失わせ、疾病を悪化させるなど、保健衛生上の危害を生じさせることを防止することも重要となっており、近年取締りが強化されていることもあり、十分に留意する必要があります。

薬機法の規制対象

上記の目的から、薬機法の規制の対象は以下の通りとなっていますが、危険ドラッグなども含まれます。

① 医薬品
② 医薬部外品
③ 化粧品
④ 医療機器
⑤ 再生医療等製品

ここでは健康食品やサプリの広告・販売は対象としていないようにも思えますが、上記の趣旨を踏まえて、広告・販売の方法によっては健康食品やサプリが、薬機法上の「医薬品」に該当するものとして扱われる可能性があります。

本マニュアルでは、薬機法の概要について整理するとともに、健康食品・サプリ・化粧品の広告・販売において留意すべき点を中心に解説するものです。

製造販売業の許可

ここでいう製造販売とは、工場などで製造する場合や、外国から輸入することを意味し(薬機法2条13項)、工場や外国から仕入れて消費者に販売する小売り等は含みません。

事業として医薬品等を製造販売する場合には、以下の通り、許可を受けなければなりません。

(1) 医薬品、医薬部外品、化粧品を製造販売するための許可(薬機法12条)

医薬品、医薬部外品又は化粧品の種類許可の種類
処方箋医薬品第一種医薬品製造販売業許可
処方箋医薬品以外の医薬品第二種医薬品製造販売業許可
医薬部外品医薬部外品製造販売業許可
化粧品化粧品製造販売業許可

(2) 医療機器等を製造販売するための許可(薬機法23条の2)

医療機器又は体外診断用医薬品の種類許可の種類
高度管理医療機器第一種医療機器製造販売業許可
管理医療機器第二種医療機器製造販売業許可
一般医療機器第三種医療機器製造販売業許可
体外診断用医薬品体外診断用医薬品製造販売業許可

(3) 再生医療再生医療等製品についても、厚生労働大臣の許可がなければ業として製造販売することができないこととされています(薬機法23条の20)。

品目ごとの承認

以下の医薬品等の製造販売業者は、品目ごとに、厚生労働大臣の承認を受けなければなりません。

医薬品等(薬機法14条)

① 医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を除く。)

② 医薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)

③ 厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品

医療機器等(薬機法23条の2の5)

① 医療機器(一般医療機器並びに第23条の2の23第1項の規定により指定する高度管理医療機器及び管理医療機器を除く。)

② 体外診断用医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する体外診断用医薬品及び同項の規定により指定する体外診断用医薬品を除く。)

再生医療等(薬機法23条の25)

① 再生医療等製品

これらの品目についての承認がない場合に、その商品の広告・販売をすると、いわゆる未承認の医薬品等の広告・販売の罪が成立することとなり、広告主である販売元だけでなく、広告代理店・アフィリエイター・インフルエンサー等までも逮捕される可能性があるので、承認の必要性や承認の有無については十分に留意が必要です。

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