配偶者に浮気された人は精神的苦痛を受けます。その精神的苦痛を受けたことを根拠に慰謝料を請求できます。しかし、浮気相手の中には音信不通になったり、反論したりして慰謝料の支払いを免れようとする人も少なくありません。ここでは、浮気相手が慰謝料を支払おうとしないとき、浮気された側がとるべき対処法についてご紹介します。

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浮気相手が慰謝料を払わないときの対処法

浮気相手に慰謝料を請求したにもかかわらず、支払いが履行されなかったときに取るべき対応を4つご紹介します。

内容証明郵便を送る

内容証明郵便はいつ、だれが、誰に対してどのような内容の郵便物を発送したのかを日本郵便が証明するもので、郵便局の窓口やインターネットでも受け付けています。(参考:内容証明 | 日本郵便株式会社

法的拘束力はないものの、慰謝料の支払いを求めている事実を第三者が証明してくれるという意味では、受け取った側のプレッシャーは大きく、こちらに連絡してくることが多くあります。

また、後述する裁判をする際にも、慰謝料を請求していることを証明する重要な書面となるので、控えを大切に保管しておきましょう。

弁護士に交渉を委任する

浮気相手の中には慰謝料請求を無視していればそのうち諦めてくれるだろうと思う人もいます。そのため、浮気された側からの連絡を無視したり、慰謝料の請求をしても一切音沙汰がなかったりするのです。

そのような時こそ、弁護士に交渉を任せるべきです。法律に詳しい弁護士が第三者として介入すると浮気相手が驚いて連絡してくることもあります。特に、離婚に強い弁護士に任せて、粘り強く交渉もらうことをおすすめします。

お金がない場合は分割払いなどを打診する

浮気の慰謝料金額は少なくても数十万円、高くても200~300万円が相場です。こちらが請求した慰謝料の金額に対して「支払えるわけがない」と拒否反応を示す浮気相手もいるかもしれません。

その場合は、分割払いを打診してみます。毎月の収入から考慮して現実的に支払える金額を提案するか、頭金を先に支払ってもらってもいいでしょう。

なお、分割払いにする場合は必ず公正証書を作成しましょう。これは今後、未払いが起きた時に強制執行するために必要になるためです。万が一、慰謝料が払われなかったときは、裁判所に強制執行の申し立てをする必要がありますが、公正証書があれば手続きがスムーズに進みます。

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裁判を検討する

慰謝料を請求するために、訴訟を提起するのも一つの手です。ただ、裁判をする場合、手続きがかなり煩雑になるため、弁護士への相談が不可欠です。相手が全く連絡をしてこなかったり、慰謝料を支払う姿勢を見せなかったりして話し合いができない場合の最終手段と考えましょう。

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浮気相手が慰謝料を払わなくていいケース

次のようなケースではたとえ浮気していても慰謝料を支払う必要がないため、浮気された側も慰謝料の請求ができません。

浮気相手に故意・過失がなかった

浮気相手が「相手が既婚者だと知らなかった」と主張し、故意または過失がなければ、慰謝料を払う必要はなくなります。ここでいう「故意」は、「相手が既婚者だと知っていた」ことになります。

例えば、旦那が浮気相手に既婚者であることを隠すか、独身だと嘘をついて浮気を続けていた場合、浮気相手に故意がない状態になり、慰謝料請求ができないのです。むしろ、浮気相手も交際相手に騙された被害者であり、浮気相手から慰謝料を請求される可能性もあります。

一方、「過失」は「相手が既婚者だとわかる状況だったのに、黙認して知らないふりをした」場合に該当します。例えば、交際相手の男性が左薬指に指輪をしていたら、多くの人は「相手は既婚者だ」と認知するはずです。

ほかにも「平日夜しか会えない」「自宅に招かれたことがない」など、相手が既婚者ではないかと推測するに足る状況にもかかわらず黙って交際を続けていた場合は慰謝料請求の対象となります。

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時効を迎えている

慰謝料の請求には時効があります。浮気(不法行為)があったことを知った日から3年以内に請求しなければ時効を迎え、慰謝料は請求できません。配偶者の浮気に気づいたら、たとえ離婚を考えていなくても早急に慰謝料請求の手続きを進めるべきでしょう。

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配偶者がすでに慰謝料を支払った

浮気は、浮気した既婚者と浮気相手の共同不法行為とされています。どちらか一方が慰謝料を支払うのではなく、両方で負担するのが原則です。

共同不法行為とは
複数の者が共同で不法行為を行うことをいう。共同とは,各自の行為の間に意思の共同がなくても客観的な連関があればよいとされている。共同不法行為者は連帯して損害を賠償しなければならない (719条1項) 。

引用元:共同不法行為とは – コトバンク

かりに浮気した旦那と離婚する場合、婚姻中に夫婦で築きあげた財産を分ける財産分与をします。この時に「慰謝料的財産分与」といい、浮気の慰謝料も含めた十分な財産分与を受けている場合は、旦那から慰謝料の支払いを受けているとされ、浮気相手が慰謝料を支払う必要がなくなるのです。

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不貞行為の証拠がない

不貞行為で慰謝料を請求するのには、浮気相手と肉体関係があったことがわかる証拠が必要です。「2人でデートをしていたら浮気」「キスしていたら浮気」など、浮気のボーダーラインは人それぞれですが、法律上の浮気は「肉体関係があったこと」とされています。(参考:不貞行為の定義とは

つまり、肉体関係があったことがわかる証拠がなければ、慰謝料の請求は極めて難しくなります。ここでいう「不貞行為の証拠」とは、2人でホテルに出入りしているところの画像や行為中の画像や動画などが該当します。

そのため、浮気で慰謝料を請求するときは、あらかじめ興信所に浮気現場の撮影を依頼し、より確実な証拠を確保することをおすすめします。

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浮気相手が慰謝料を払わないときのよくある質問

相手の財産を差し押さえできる?

慰謝料が支払われなかった場合、裁判所に申し立てて強制執行により相手の財産を差し押さえることはできます。しかし、強制執行は申し立ての準備から完了するまでの手続きが煩雑な点がデメリットです。

こうした手間を省くためにも、慰謝料は一括で支払ってもらう方が得策です。どうしても分割払いを希望している場合は、公正証書を作成して支払いがなかった時に備えましょう。

「毎月○日、誰が、誰のどの口座に、何万円を支払う」など、分割払いに関するルールを詳しく書き残しておきます。こうすることで支払いが滞ったときの手続きがよりスムーズになります。

浮気相手が無職の場合は請求できない?

浮気相手が無職の場合、慰謝料の請求はできないのでしょうか?結論から申し上げると答えは「No」です。たとえ相手が無職で収入がなくても、慰謝料を請求できます。無職だからといって不法行為の事実は変わらないため、慰謝料の支払い義務を負います。

支払いが遅れた場合には遅延損害金が発生すること、財産を差し押さえられる可能性があることを相手に伝え、たとえ無職でも慰謝料を用意しなければならないことを伝える必要があります。ただし、慰謝料の金額は「相手の経済状況」も考慮されるため、実際に請求できる金額は相場より低くなる可能性があります。

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浮気相手の親に請求できる?

慰謝料を支払う義務は、あくまで浮気をした当事者にあるため、部外者である親に対して慰謝料を請求することは認められません。ただし、浮気相手の親が慰謝料を立て替えて払い、浮気した本人が親に返済するなどのケースはあるかもしれません。

また、浮気相手が慰謝料を分割払いで支払う場合に、親に保証人になってもらう方法があります。その場合、慰謝料の返済や保証人について書かれた誓約書の作成が必要となります。

まとめ

浮気という不法行為をした以上、慰謝料を支払うのは当然です。音信不通になったり逃げたりして許されてしまったら逃げた者勝ちになってしまい、浮気された側の救済になりません。

浮気相手が慰謝料を支払ってくれなくてお悩みの方は、離婚問題に詳しい弁護士にぜひご相談ください。浮気した・された当事者に対しては頑なに連絡を取らなかった浮気相手が、弁護士が相手とわかると態度を改めることがあります。