弁護士 瀧柳 宏(千葉弁護士会所属) – 採用情報

所属弁護士へのインタビュー

弁護士 瀧柳 宏(千葉弁護士会所属)

弁護士のご紹介

弁護士 瀧柳 宏
西船橋オフィス所属弁護士

経歴:
東京都調布市生まれ
八王子学園八王子高校 卒業
日本大学法学部政治経済学科 卒業
日本大学法科大学院 修了
行政書士試験合格
新司法試験合格
裁判所事務官 退職
最高裁判所司法研修所 修了

所属:
千葉県弁護士会

弁護士を志した理由

私が中学生の時に、家に窃盗が入りました。朝の5時頃、階下で物音がしていることに気がつきましたが、怖くて見に行くことはできませんでした。もしあの時、見に行っていたら窃盗犯と鉢合わせになって、何をされていたか分かりませんので、それはそれでいい判断だったと今は思います。その窃盗犯は警察に捕まりました。しかし、取られたお金や物は「全部使ってしまった」と言われて戻ってくることはありませんでした。私はその時「こんなことって許されるのか?」と怒りを感じました。さらに警察の対応にも不信感を抱きました。自宅にあったドル紙幣も取られましたが、さすがに使えなかったのか、窃盗犯の手元にドル紙幣があることは確認できたそうです。でも、戻ってはこなかった。
民事で損害賠償請求を行うこともできます。しかし、相手はお金がないというし、取られた金額を取り返すためには訴訟費用の方がかかってしまい、訴える意味がない。これには中学生なりに疑問を抱き、犯罪被害者のために何かやりたいと考えるようになって、大学で法学を勉強しました。

弁護士になる前に、裁判所で働いていたことがあります。周囲には法曹の人がたくさんいて、その仕事ぶりを見ると、法曹の仕事はかっこいいな、やりがいがあるなと思えました。しっかり下調べをして、毅然とした態度で主張を述べている姿に憧れました。裁判所で働いた経験というは、今も生きています。裁判所では刑事部にいたので、検察官とも交流がありました。そのため、弁護士になってからも、検察官側の目線を持つことができるのは、私の強みです。今でも裁判所に行くと、知り合いの書記官に会うこともあり、仕事がしやすいです。当時知り合った人たちとは、今でも交流があり、この人脈は私の大切な財産ですね。

弁護士としての心がけ

依頼者にメールひとつ送る時でも、相手はこれを読んでどう考えるか、どう思うのか、傷つけてはしまわないかということを考えるようにしています。この考えのもとになっているのが、裁判員裁判制度の立ち上げに関わった裁判官から聞いた話です。制度が始まったばかりの頃は、裁判に不慣れな一般人である裁判員への気配りが足りずに、精神的な負担をかけてしまうことがあったそうです。実際に運用が始まった制度の下で、現場ではいろいろな試行錯誤があったとも聞きました。現在では、「どういった気配りが必要か」ということが共有されるようになったそうです。この気配りは、弁護士が仕事をする上でも大切だと思っています。

また被害者の心情に寄り添い、気配りすることは、刑事事件の加害者の弁護にも役立っています。被害者の立場で考えることができると、示談交渉する時など、こう言ったら被害者感情を逆なでするなとわかるので、言葉を慎重に選ぶことができます。気配りは、被害者相談にも加害者弁護にも役立つのです。

今後の方向性

弁護士になって、交通事故の案件を担当したことがあります。車をぶつけられた側からの相談でした。相談者は車がないとできない仕事をしていたので、死活問題です。相談者の小さなお子さんと奥さんを見たとき、この人たちのために頑張ろうと思いました。任意保険に入っていない相手に対して粘り強く交渉を続けて、お金を振り込んでもらうことができました。被害者の力になりたいという思いは、中学生の時の窃盗被害から変わっていません。

被害者の精神的な面、経済的な面のどちらも回復できるような活動をしていきたいです。裁判の判決文の中に被害者の心情が入る部分があります。その時、被害者の言葉が判決主文の中に入っていると、被害者は「裁判官がこちらの思いをわかってくれた。自分の言ったことを取り上げてくれた」と感じて、メンタルの回復に役立つことがあります。判決主文をどうするかは、裁判官の采配ではありますが、そこに携わる仕事をしていきたいです。

刑事事件では、加害者だけでなく被害者側も国選弁護人をつけることができる、というのはあまり知られていないのではないでしょうか? 事務所にも被害者からの相談はあまりありません。犯罪やトラブルに巻き込まれて、どうしていいかわからず不安な気持ちになっているときは、どうぞ弁護士に相談してください。私は、弁護士会の被害者委員会での活動もしています。被害者支援については、弁護士、検察、警察、病院の連携が必要ですが、その連携先にも、弁護士の被害者支援の活動が伝わっていないこともあるのです。性被害を受けた時、被害者は一人で抱えてしまうことが非常に多い。なんとか病院へ行くことはできても、警察へ行くのはハードルが高い、弁護士となるともっと高い。でも病院と連携して、弁護士に連絡すれば証拠保全などのアドバイスができ、被害に対応していくことができるのです。もっと弁護士に頼って欲しいと思います。

窃盗被害について加害者がお金を払えない場合は、被害者が国から支援を受けることができる制度があります。このように被害者を支援する環境は少しずつですが整ってきています。ただ、この制度も知らない人が多いのですよ。警察の支援室に行けば、被害者支援のパンフレットが置いてあるのですが、そこまで行かないと知ることができない。被害者支援活動については、これからもっと広報が必要だと感じています。被害者の力になるために、これからも弁護士として経験を積んだり、社会的な活動を続けて行ったりしていきたいです。