原状回復のトラブルの相談先はどこ?トラブル回避のポイントも解説

賃貸物件を退去する場合、原状回復に関連するトラブルが起きるケースが多々あります。

独立行政法人国民生活センターによると、賃貸住宅に関する消費生活相談は毎年3万件以上寄せられていますが、そのうち原状回復に関する相談が約4割を占めているといいます。

この記事では、原状回復のトラブルに遭遇した際にどこに相談すればいいか、トラブルを避けるポイントについて解説します。

目次

原状回復のトラブルはどこに相談すべきか?

原状回復に関してトラブルになった場合、以下の機関で相談をしてみましょう。

国民生活センター

国民生活センターは、消費者基本法に基づき、国や全国の消費生活センター等と連携し消費者問題における中核的機関としての役割を果たしている組織です。

消費者庁が運営している消費者ホットラインを開設し、誰もが相談しやすい環境を提供しています。

土日祝日も利用ができるため、平日に時間が取れない人も安心して相談ができます。

参考:相談・紛争解決/情報受付_国民生活センター (kokusen.go.jp)

日本賃貸住宅管理協会

日本賃貸住宅管理協会は、全国の賃貸住宅管理会社、関連会社で組織された賃貸住宅管理業界の適正化と発展を目指す公益法人の業界団体です。

賃貸住宅に関するトラブルの相談を受け付けているため、原状回復のトラブルにあった場合、どのように対応すればよいかアドバイスが受けられます。

相談はWEBフォーム、FAX、手紙のみで受け付けており、相談に対する回答は電話で行われます。

参考:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 – 賃貸住宅に関するご相談 (jpm.jp)

弁護士

国民生活センターや日本賃貸住宅管理協会に相談しても解決が難しい場合は、弁護士への相談をおすすめします。

不動産案件を多数手掛けている弁護士であれば、原状回復のトラブルに対する的確なアドバイスができます。

また、弁護士は代理人として相手方と交渉ができるため、敷金の返還などで納得ができない場合は、対応を任せられます。

原状回復でトラブルを避けるポイントは?

原状回復でトラブルを避けるためには、以下5つのポイントをチェックしましょう。

契約時に契約書の内容をしっかり確認する

入居時に賃貸借契約を締結する際、契約書の内容をすみずみまでしっかり確認しましょう。

退去時にどの程度まで原状回復が求められているか、特約事項はないかなど、少しでも疑問に思うことがあれば納得できるまで説明を求めましょう。

入居時に物件の状態を記録しておく

入居時に物件がどのような状態だったか、写真や動画で記録しておきましょう。

入居時の状況がわかるような記録が残っていないと、修繕等の範囲について貸主との間でトラブルが生じる可能性があります。

国民生活センターが公開している実際の相談事例には、次のようなものがあります。

・20年以上住んだマンションを退去した際、入居時から付いていたキズについて「最近付いたものだ」として修繕費用を請求された。
・敷金礼金不要のアパートを退去した際にシャワーヘッドの交換費用を請求され、入居時から不具合があったと伝えたが証拠がないと言われた。

引用元:住み始める時から、「いつか出ていく時」に備えておこう!-賃貸住宅の「原状回復」トラブルにご注意-(発表情報)_国民生活センター (kokusen.go.jp)

壁や床などに傷がある場合は、入居前からあるものだと貸主や不動産会社に対して知らせておいたほうがよいです。

入居中に問題が起きたらすぐに貸主に相談する

入居中に問題が起きたら、すぐに貸主に相談しましょう。

面倒だからと連絡を怠ると退去時にトラブルになる可能性があります。特に水回りのトラブルは、放置すると他の借主を巻き込んだ大きなトラブルに発展する場合がありますので、迅速な対応が必要です。

退去時の物件チェックに必ず立ち会う

退去時の物件チェックには必ず立ち会いましょう。
実際に立ち会いをしなければ、負担を強いられるのはおかしいと反論したくてもできなくなってしまいます。

最近は立ち合いを求めない貸主や不動産会社も多いようですが、どのような点を指摘され原状回復を求められたか自分の目で確かめるのが重要です。

貸主から提示された精算書を確認する

貸主から提示された精算書を確認しましょう。

契約内容にないものについて負担を強いられていないか、チェックをしなければいけません。

国民生活センターが公開している実際の相談事例には、次のようなものがあります。

敷金礼金不要のアパートを退去したら、契約書の記載と異なるエアコンの清掃代や入居前からあったフローリングのキズの修繕費用まで請求された。

・アパートを退去した際、自分では通常損耗だと思う箇所の修繕費用や、契約書に記載のない費用を請求され納得できない。
引用元:住み始める時から、「いつか出ていく時」に備えておこう!-賃貸住宅の「原状回復」トラブルにご注意-(発表情報)_国民生活センター (kokusen.go.jp)

納得ができない項目に関しては、なぜ負担しなければならないのか、貸主や不動産会社に説明を求めましょう。

原状回復でトラブルになったら弁護士に相談を!

原状回復でトラブルになったら、弁護士に相談をしてください。

弁護士に相談をすればスピーディーに解決できる可能性があります。

敷金の返還に対して聞く耳を持たなかった貸主や不動産会社も、弁護士が代理人となって交渉すれば、態度を改める可能性もあります。

不動産案件を多数手掛けている弁護士であれば、これまでの経験や法的な根拠をもとに的確な交渉が可能なので、安心して任せられます。

まとめ

賃貸物件を退去する際、思っていたよりも敷金が戻ってこなかった経験をした人は少なくないでしょう。そういうものなのか…と諦めて受け入れている人がいるかもしれませんが、必要以上に原状回復に関して負担を強いられていないか、契約書をもとに確認をしましょう。

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