店舗やテナントを退去する際、スケルトン工事を求められ、高額な原状回復費用を請求されるケースがあります。
この記事では、以下の点について解説をします。
- 原状回復工事とスケルトン工事の違い
- スケルトン状態にしなければならないケース
- スケルトン戻しを求められた場合にすべきこと
- 店舗やテナントを借りる場合の注意点
原状回復工事とスケルトン工事の違いは?
原状回復工事とスケルトン工事の違いがよくわからない方もいらっしゃると思います。
以下で2つの違いについて解説します。
原状回復工事とは
原状回復工事とは、契約した当時と同じ状態に戻す工事です。
例えば、飲食店として使用するために物件を借りたら、多くの場合、飲食店仕様に内装工事をします。退去時には工事で手を加えたところをすべて撤去して、契約した当初の状態に戻さなければいけません。
もっとも、賃貸借契約において原状回復に関する特約がない場合、以下については、
賃借人は原状回復義務を負いません。
- 賃借物の通常損耗および経年変化
- 賃借人の責めに帰することができない事由による損耗
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スケルトン工事とは
スケルトン工事とは、建物の柱や梁、床など構造躯体のみの状態にする工事です。
内装をすべて撤去するため、鉄筋コンクリートのビルであればコンクリートが打ちっぱなしの状態になります。
借主がスケルトン状態に原状回復する義務を負うのはどんなとき?
借主がスケルトン状態に原状回復する義務を負う可能性があるのは、スケルトンの状態で物件の引き渡しを受け、かつ、スケルトンに原状回復する旨の合意があり、その義務の内容が賃貸借契約書等に明記されているケースです。
判例でも、スケルトン状態で物件の引渡しが行われた場合、契約終了後は、賃借人がスケルトン状態に戻して明渡しを行うべきとしています(東京地裁平成28年 6月15日判決)。
例えば、飲食店を経営するためにスケルトン状態の物件を借りたとします。
ほとんどの場合、賃借人は飲食店ができる状態にするために内装工事を行います。賃貸借契約書に、契約終了時はスケルトン状態に戻さなければならないと記してあれば、内装工事で行ったものを賃借人負担で撤去する義務が生じる可能性があります。
店舗やテナントを借りる場合の注意点は?
店舗やテナントとして物件を借りる際、注意すべき点は以下のとおりです。
原状回復の範囲は口約束ではなく契約書として残す
原状回復の範囲は口約束ではなく契約書を作成しましょう。
口約束の場合、「言った」「言わない」のトラブルが発生する可能性があるからです。
店舗やテナントとして借りる場合、物件を改造するケースがほとんどなので、退去時にスケルトン戻しにするのか、どの部分を修繕するか、当事者間で契約書に記載をして明確にしておいたほうがよいです。
退去時に撤去すべき部分を明確にする
退去時に撤去すべき部分を明確にしておきましょう。
賃貸人が物件の引渡し前に、物件内部の一部を改造するケースがあります。退去時の原状回復がどこまでの範囲なのか、入居前に写真や動画を撮って残したほうがよいでしょう。
まとめ
店舗やテナントとして物件を借りる場合、退去時にどこまで原状回復をするかトラブルになるケースが少なくありません。口約束ではなく契約書に原状回復の範囲を記載した上で、賃貸借契約を締結するようにしましょう。
ネクスパート法律事務所には、不動産案件を多数手掛けている弁護士が在籍しています。
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