再開発や取り壊し、賃借人の契約違反等で立ち退きを依頼する場合、賃借人に対して文書で通知する義務はあるでしょうか?
この記事では、立ち退き通知書のテンプレートをパターン別に紹介しつつ解説します。
立ち退きのお願いは文書で通知すべき?
賃借人に対して立ち退きをお願いする場合、書面で通知したほうがよいでしょう。
書面で通知をしなければならない義務はありませんが、口頭のみで行った場合は「言った、言わない」の水掛け論になる可能性があります。
そのため、通知(意思表示)をした時期が記録として残るように文書で通知しておいたほうがよいです。
可能であれば内容証明郵便での送付をおすすめします。
ただし、いきなり内容証明郵便が送られてきたら賃借人は驚くと思いますしあまり良い印象を与えませんので、事前に口頭で立ち退きをお願いしてから送りましょう。
立ち退き通知書のテンプレート
ここでは、立ち退き通知書のテンプレートを家主の事情で立ち退きをお願いする場合と賃借人の契約違反で立ち退きを求める場合の2パターンで紹介します。
家主の事情で立ち退きをお願いする場合
家主の事情で立ち退きをお願いする場合の通知書の内容は、期限の定めがあるケースとないケースで分かれます。
以下でそれぞれ解説します。
期限の定めがある場合
賃貸借契約について期限の定めがある場合の通知書の例文は、以下のとおりです。

更新拒絶の通知を送ったにも関わらず、期日を過ぎても賃借人が引き続き建物を使用している場合、以下の使用継続に対する異議の文書を送りましょう。

・期限の定めがない場合
賃貸借契約について期限の定めがない場合の通知書の例文は、以下のとおりです。
期限の定めがない場合
賃貸借契約について期限の定めがない場合の通知書の例文は、以下のとおりです。

賃貸借契約解除の通知を送ったにも関わらず、期日を過ぎても賃借人が引き続き建物を使用している場合、以下の例文を参考に、使用継続に対する異議の文書を送りましょう。

賃借人の契約違反で立ち退きを求める場合
賃借人が家賃を滞納する等の賃貸借契約違反で立ち退きを求める場合の通知書の例文は、以下のとおりです。

立ち退き通知書を送るタイミングや解約・解除の時期は?
立ち退き通知書はどのタイミングで送ればいいのか、通知後の解約・解除の時期はいつになるのか、下記の3パターン別に解説します。
期限の定めがある場合

賃貸借契約について期限の定めがある場合、賃貸借契約の期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知を送る必要があります。
この期間内に更新拒絶の意思表示をすれば、賃貸借契約の期限到来をもって契約が終了します。
期限の定めがない場合

賃貸借契約について期限の定めがない場合は、更新拒絶の通知が賃借人に到達した6か月後に解約となります。
賃借人に契約違反がある場合

賃借人が家賃を滞納したなど賃貸借契約違反で立ち退きを求める場合は、契約違反を改めるように相当期間(目安:1週間~10日程度)を定めて通知をするのが一般的です。
それでも賃借人が改めなければ、契約を解除する旨の通知を送り、直ちに契約解除ができます。
もっとも、是正を催告する際に、「〇日以内に支払わなければ契約を解除する」旨の意思表示を併せて行う場合には、改めて解除の意思表示を行う必要はありません。
まとめ
建物の立ち退きをお願いするにあたっては、さまざまな理由があります。
それによって送る通知書の内容も違ってきますので、本記事のテンプレートを参考にアレンジしてご利用ください。