立ち退き交渉で押さえるべき重要ポイント

立ち退き交渉とは? 押さえておくべきポイントを解説

立ち退き交渉は、賃貸借契約において貸主・借主の双方に大きな影響を与える重要な手続きです。特に、正当事由の有無や立ち退き料の相場、交渉がまとまらない場合の対応を理解せずに進めると、深刻なトラブルに発展するおそれがあります。契約を終了させるためには法的な正当事由と立ち退き交渉の正しい進め方を理解し、適切に行うことが求められます。
本記事では、立ち退き交渉で押さえるべきポイント、トラブルが生じた場合の対処策を解説します。初心者の方にもわかりやすいようにポイントを整理していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

立ち退き交渉において押さえるべきポイントは?

立ち退き交渉は、賃貸借契約関係を終了させるための合意形成を目的に行われます。双方が話し合いを通じて納得できる条件を整えなければ、賃借人は退去を拒否する権利を主張することも可能です。正当事由を有していない状態で一方的に退去を迫ることは違法行為にあたる可能性があるため、慎重に進めることが求められます。

立ち退き交渉における正当事由とは|判断基準と具体例

立ち退き交渉で最も重要なポイントとなるのが正当事由の有無です。正当事由がないまま一方的に退去を求めると、法的手段に訴えられ、退去請求が認められない可能性も高まります。

正当事由の代表例としては、建物の老朽化による建替え、耐震性の問題、オーナー自身や親族による自己使用、再開発計画への組み込みなどが挙げられます。これらの根拠を客観的な資料や状況証拠で示すことが求められます

例えば所有建物が増改築の必要性に迫られている場合、専門家の診断書や建築計画書などを用意すると説得力が増します。同時に、賃借人にとって不利益が生じる場合は、相応の立退き料を提示することが一般的です。正当事由と経済的補償のバランスが取れた提案であるかが、交渉を円滑に進めるためのカギとなるでしょう。

正当事由はあくまで社会通念上、やむを得ない理由であることが基準になります。裁判所が第三者として判断する場面も想定されるため、正当事由に関する説明や証拠資料はしっかり準備しておくことが重要です。さらに、交渉ではお互いのリスクと負担をどのように軽減するかが、スムーズな合意へのカギとなります。

貸主(賃貸人)が立ち退き交渉で注意すべきポイント

正当事由が曖昧なまま交渉を進め、賃借人との合意に至らない焦りから違法に圧力をかけるケースが挙げられます。これは不当な退去圧力として問題視され、場合によっては賃貸人自身が訴訟リスクを負うことにもなりかねません。

借主(賃借人)が立ち退き交渉で注意すべきポイント

賃借人にとっては、引越し先や費用の確保など現実的な問題が生じます。立退き料の交渉に時間を要するあまり、新居探しが遅れると引越し時期が合わなくなるなどのリスクが見過ごせません。居座りを続けると、今度は賃貸人との関係がさらに悪化する場合もあります。

家賃の滞納や無断転貸といった契約違反があるケースでは、立退き料の必要性が変化する場合もあります。契約状況をしっかり把握し、どのようなリスクがあるかイメージしながら交渉を進めると良いでしょう。

立ち退き交渉の基本的な流れと進め方

立ち退き交渉は契約期間や契約違反の有無など事前確認から始まり、正当事由の提示、実際の立ち退き料の交渉に至るまで、いくつかの段階に分けて行われます。最終的には合意書を取り交わし、合意した内容を実行する流れが一般的です。トラブルを防ぐためにも、必要となる書類や証拠の準備を怠らないようにしましょう。

賃貸借契約書の内容と契約違反の有無を確認する

賃貸借契約書を確認し、契約更新時期や賃借人による契約違反の有無を整理します。家賃滞納や無断転貸などの事実が認められる場合、立ち退き料の支払いを必要としない場合も考えられます。

正当事由を裏付ける証拠・資料を準備する

当事者双方の合意を得るためにも、立ち退き交渉を始める理由と正当事由を明確にしておくことが大切です。例えば建物の老朽化が進んでいるのなら具体的な修繕内容や建替え計画書などを準備し、客観的な根拠として提示するとスムーズに進む傾向があります。

また、近隣の賃貸相場やこれまでの賃料水準、市場の需給状況などの情報収集も有効です。これらの情報をもとに、立ち退き料の範囲を大まかに決めておくと、次のステップへとスムーズに進む可能性があります。

立ち退き交渉を開始するタイミングと伝え方

事前準備が整ったら、まずは書面や口頭で正式に立ち退きを求める意思表示を行います。この際に立ち退きを求める理由が正当かつ明確に伝わるよう配慮し、相手が納得できる説明を用意することが重要です。初期段階できちんと経緯を説明すれば、相手を不安にさせるリスクが低くなります。

意思表示がなされると、賃借人から質問や異論が出ることも多いため、感情的対立を避けつつ丁寧に応じることが大切です。特に正当事由を補強する資料を早期に用意し、相手が安心して話し合いに参加できる土台を作ることが望まれます。

交渉初期には、賃借人からすぐに合意できないという姿勢を示される場合もあります。焦らず根拠やデータを提示して歩み寄る努力を続けましょう。対話と譲歩のバランスが、合意への近道です。

立ち退き料の相場と条件交渉の進め方

立ち退き交渉で重要な部分が、立ち退き料の提示と条件交渉です。一般的な目安としては家賃の5~6か月分、あるいは40~80万円とされることが多いですが、地域・物件の種別(居住用/事業用)・契約年数・正当事由の強さなどによって大きく変動します。相手の事情を聞きながら譲歩できるラインを探り、公平感のある提案を心がけることが大切です。

実際に提示する金額には、引越し費用や新居の敷金・礼金の補助などが含まれることがあります。また、原状回復義務を免除したり、退去までの家賃を猶予したりするなど、金銭以外の条件を組み合わせる方法も立ち退き料を調整する一つの方法です。賃借人が移転する際の引越し費用や新居の敷金礼金、敷金の返還状況などをトータルで考えるのが一般的だからです。事業用物件では移転に伴う休業補償など追加の配慮が必要となり、さらに交渉が複雑になることがあります。

交渉ポイントとしては、単に金額だけでなく手間や時間の負担を軽減する工夫を提案するのも効果的です。賃借人にとってメリットになることを提案すれば、賃借人の不安が減り、合意を得やすくなります。

賃借人に不利な条件ばかりを押し付けると、合意が難しくなります。相手も住居や事業の継続場所を探す必要があるため、相場観を示しながら妥協点を広く探すことがポイントです。

立ち退き合意書の作成と記載すべき内容

立ち退き交渉の話がまとまったら、立ち退き合意書(合意書)として内容を書面化することが欠かせません。合意書には、立ち退き料の金額や支払日、退去期限、その他条件を明確に記載します。口頭のみの合意では後々トラブルに発展するおそれがあるため、書面化が基本です。

合意書が締結されたら、合意した内容を実行する段階へと移ります。立ち退き料の支払い方法は銀行振込が主流ですが、遅延やトラブルを防ぐためにも、支払い時期と確認方法をしっかり取り決めておきましょう。

退去後の原状回復費用の分担や、引越しスケジュールに関する細かい部分など、実務的な手続きを完了させることも重要です。合意書の内容を着実に実行し、スムーズな退去完了を目指してください。

立ち退き交渉でトラブルが起きた場合の解決策

立ち退き交渉がどうしてもまとまらない場合、法的措置を検討する必要に迫られます。訴訟は時間や費用がかかるうえ、裁判所の判断次第では予期せぬ結果に至ることもあるため、慎重に見極めましょう。

円満解決を目指すなら、地方裁判所や簡易裁判所で行われる調停を利用するのも一つの方法です。専門家が間に入ることで、当事者同士の感情的対立が和らぎ、歩み寄りをしやすくなる利点があります。

また、買取交渉によって賃借人の権利を一定額で買い取るケースもあります。住宅用物件だけでなくテナント物件で活用される手段であり、賃借人が納得できる価格が提示されれば比較的スムーズに解決に至る可能性があるでしょう。

定期借家契約を活用した立ち退きトラブルの回避方法

契約更新の問題を回避するための定期借家契約の仕組みとメリットを解説します。

定期借家契約は、契約期間が満了すると原則として更新がなく、契約が終了する仕組みである点が特徴です。普通借家契約と比べて、終期が明確になる分、建て替えや自己使用などの事情が生じた場合にもスムーズに終了しやすいメリットがあります。

ただし、定期借家契約を利用するには契約締結時の説明義務や適切な書面の交付など、一定の手続きが必要です。説明不備があると契約そのものが認められない可能性があるため、締結時には注意が求められます。

実際に定期借家契約を活用する場面では、貸主と借主の間で、いつまでの賃貸かを明確にしたうえで契約を結ぶことがポイントです。これにより退去交渉のリスクが減り、トラブル回避につながるでしょう。

立ち退き交渉を弁護士に依頼すべき?

紛争リスクが高い場合や法的に複雑な問題がある場合は、弁護士への相談を検討しましょう。立ち退き交渉を弁護士に依頼するメリットとデメリットについて解説します。

立ち退き交渉を弁護士に依頼するメリット

立ち退き交渉が長期化すると、感情的な対立や法的トラブルに発展するリスクがあります。早い段階で弁護士に相談することで、不要な紛争を回避できるケースも少なくありません。弁護士に依頼することで、法的根拠に基づいた交渉や書面作成が可能です。特に正当事由がはっきりしない場合や、過去の判例を参照しなければならない複雑なケースでは大いに役立ちます。

第三者の視点から交渉を行うことで感情的衝突を回避しやすくなります。当事者同士の話し合いでは、どうしても主観や感情が入り交渉が破談するリスクが高まるため、専門家の冷静なアドバイスはメリットといえます。

さらに訴訟や強制執行などになった場合、弁護士が対応してくれる点は心強いです。正当事由の主張や立ち退き料の算定を専門家に任せることで、安心して交渉に集中できます。

賃借人側が弁護士を代理人にしている場合、対等な立場で交渉を進めるためにも弁護士への依頼を検討したほうがよいかもしれません。

弁護士に依頼するデメリット

弁護士へ依頼する場合、着手金や報酬金、相談料などの費用が発生します。案件の難易度や地域によって金額が異なるため、複数の法律事務所に相談して弁護士費用がどのくらいになるか見積もりで比較することが大切です。

費用負担の面で検討する際は、得られるメリットとのバランスも考慮しましょう。交渉過程において弁護士の助けがなくても合意できる場合、一部の法的サポートだけを依頼する選択肢もあります。

また、依頼内容や弁護士との相性によっては期待どおりの結果が得られないこともあるため、不動産案件に実績のある弁護士を慎重に選ぶ必要があります。事前に事務所のホームページなどで、どの分野を得意にしている弁護士かを確認したほうがよいです。

立ち退き交渉でよくある質問(Q&A)

立ち退き交渉で実際に生じやすい疑問やトラブルに対処するためのQ&Aを紹介します。

賃借人が家賃滞納している場合、立ち退き料を支払う必要がある?

契約違反が重度であれば支払わずに退去を求めることが認められる場合もあります。しかし実際の交渉では、賃借人の理解を得るためにいくらかの費用負担を申し出るケースがあります。

建て替えで立ち退きを求める場合、事前に行うべき手続きは何?

建築計画や老朽化の説明書類を用意し、正当事由を根拠づける資料の準備が必要です。そのうえで契約書の満了時期などと照らし合わせ、早めに提案を行いましょう。

合意書作成後、相手が約束を守らない場合はどうすればよい?

書面上の合意があるなら、契約違反として法的措置を検討できます。まずは誠意ある話し合いを重ね、それでも解決しない場合は弁護士に相談するのが無難です。

まとめ

立ち退き交渉は、法的な正当事由と当事者間の合意が結び付いて初めて成立します。立ち退き料の提示をめぐるやり取り等に臨む前に、入念な下調べと譲歩できる範囲の設定が欠かせません。

紛争リスクが高い場合は弁護士のサポートを得ることで、感情的衝突を抑えながら合意形成をスムーズに進められます。双方が納得できる条件で合意するために、早い段階で弁護士に相談・依頼をおすすめします。

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