不動産売却で弁護士は必要?弁護士に依頼すべきケースを解説

不動産売却で弁護士が 必要なケース

不動産売却は多額の資金が動く取引であり、権利関係や契約内容の確認など慎重な対応が欠かせません。特に複雑な権利関係やトラブルが生じる可能性がある場合には、法的な助言や手続きを専門家に任せることでリスクを軽減できます。
本記事では、以下の点を中心に解説します。

  • 不動産売却で想定されるトラブル例
  • 不動産売却で弁護士は必要か?
  • 弁護士の具体的なサポート内容・費用相場
  • 不動産に強い弁護士の選び方

多種多様な事例や手続きを踏まえたプロの視点も交えつつ、安心できる売却を実現するためのポイントを分かりやすくまとめました。売却前に知っておきたいリスク事例や費用の考え方を把握することで、納得のいく取引がしやすくなります。初めて不動産売却と弁護士の連携を考えている方も、ぜひ最後までご覧ください。

目次

不動産売却で想定されるトラブル例は?

不動産売却は、一見スムーズに進むように思えても、後々になって契約不適合責任や境界の問題などが噴出する可能性があります。あらかじめ代表的なトラブルを把握し、事前の対策を検討しておくことが大切です。

契約不適合責任によるトラブル

契約不適合責任は、売却後に物件の欠陥や不具合が見つかった場合にトラブルとなります。具体的には住宅の雨漏りや基礎部分の不備などが該当し、修繕費用や損害賠償の請求を巡って買主・売主間で紛争が生じやすいです。特に、築年数が古い物件やリフォーム履歴が明確でない場合は、契約後に欠陥が見つかるリスクが高まります。
事前に物件調査を行い、契約書で責任の範囲を明確化することがトラブル回避のポイントです。

権利関係・境界線にまつわるトラブル

境界線や共有持分の整理が不十分なまま取引を進めると、売却後に近隣トラブルへと発展する可能性もあります。隣地との境界線があいまいな場合や、公図と実測が一致しない場合などは、売却手続きがストップする原因になります。
権利関係が曖昧だと、買主側の金融機関が融資を渋るなど実務上の問題も発生しがちです。売却前に土地家屋調査士や弁護士の協力を得て、境界線や権利関係を整理しておくことが重要です。

個人間売買によるトラブル

仲介業者を通さない個人間売買では、契約書の内容が不十分になりやすく、支払い条件や納期トラブルが顕在化しやすいです。融資や担保の手続きが複雑になったり、買主と売主の間で意思疎通が行き違ったりする場面も珍しくありません。公正証書を作成のうえで合意を得るなど、公的な裏付けを残しておくことが紛争回避に役立ちます。
こうしたリスクを踏まえ、必要に応じて弁護士や信頼できる専門家を交えて調整を行うことが望まれます。

任意売却や競売に絡むトラブル

任意売却や競売を検討している場合、弁護士のサポートを受けたほうがよいでしょう。住宅ローンの返済が困難になり、任意売却や競売に移行する場合は、金融機関や債権者との交渉が絡んで手続きが複雑化します。売却代金の配分や競売のスケジュール調整など、専門知識が必要な場面も多いです。こうしたシーンで弁護士が介在すると、交渉力の向上や適切な手続き進行が期待できます。

不動産を売却する際に弁護士は必要か?

不動産売却に弁護士が関わることで、契約内容のリーガルチェックやトラブル予防効果が高まります。全ての案件で必須というわけではありませんが、複雑な事案では弁護士ならではの役割を果たしてくれる存在です。
不動産売却には、重要事項の説明等を行う宅地建物取引士をはじめとする司法書士など、複数の専門家が関わりますが、それぞれ担当する分野と役割に違いがあります。ここでは、弁護士とその他の専門家の役割の違いについて解説します。

弁護士に依頼する必要性を見極めるポイント

契約不適合責任にかかわる事案や、交渉が難航しそうな大きな金額の取引では、早めに弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士は法律の専門家として、契約書の作成やチェック、訴訟対応、交渉の代理などを担当します。紛争解決や法律相談はもちろん、契約書のチェックや条件交渉なども行うため、安心できる売却につながります。
弁護士に依頼すると費用が発生するため、案件ごとにサービスが本当に必要かを見極めることが重要です。通常の売却であっても心理的安心を高めるために弁護士に相談する例がみられますが、特に権利関係が特殊なケースや紛争が想定される場合に重宝します。まずは自分の売却ケースがどの程度のリスクを孕んでいるかを理解し、必要なら早めに相談することが得策です。

司法書士に依頼が必要なケース

売却予定の不動産が長期間相続登記をしていないなど、不動産登記に関わる問題がある場合は、司法書士に依頼を検討するとよいでしょう。一般的な登記手続きや書類の作成は司法書士の専門領域です。弁護士も代理人として登記申請はできますが、提携している司法書士に依頼するケースが多いです。
トラブル防止と問題解決という観点では弁護士、登記という観点では司法書士と、うまく使い分けることで円滑な売却が実現できます。

弁護士が不動産売却でサポートできることは?

弁護士は法的トラブルの解決だけでなく、契約段階からのリスク管理にも貢献します。具体的にどのようなサポートが得られるのか確認しましょう。

不動産売買契約書の作成・リーガルチェック

弁護士は、不動産売買契約書の作成や内容に関するリーガルチェックができます。契約書は不動産売却の核心部分であり、後から変更が難しい点が特徴です。弁護士が早い段階で目を通すことで、契約不適合責任や支払い条件などの抜け漏れを防ぐことができます。結果として、売却後の予期せぬ損害や紛争を回避しやすくなります。

複雑な権利関係の調査・整理

相続や共有など、複数の当事者が絡み合う複雑な不動産売却では、事前の権利調整が不可欠です。弁護士が関わることで、共有持分の扱いや相続人の特定など、法律に基づいた整理が行いやすくなります。売却手続きを円滑に進めるための下準備をするうえでも弁護士のサポートは大いに役立ちます。

買主や金融機関との交渉・代理人業務

弁護士は、金融機関や買主との直接交渉にも対応できます。特に不動産売買契約書は、専門用語が多く一般の方には分かりにくい部分があるため、弁護士の視点を取り入れることで安心感が増します。相続や共有持分など権利が複雑化した物件の売却でも、法律面の整理を手厚くサポートできます。

訴訟対応や示談交渉のサポート

トラブルが発生した場合、弁護士であれば示談交渉から訴訟手続きまで対応が可能です。契約不適合責任や境界紛争などで買主・売主間の対立が深刻化した場合、最終的には裁判所に判断を仰ぐ必要が生じることがあります。弁護士は裁判所への書類提出や手続き、相手方との示談交渉などを一手に引き受けてくれます。迅速かつ的確に対応することで、必要以上に長引かない解決が期待できます。

不動産売却で弁護士に依頼するメリットは?

財産や権利の保護を重視する弁護士を活用すれば、安心感を得られるだけでなくトラブル回避にも貢献します。ここでは主なメリットを整理します。

法的なトラブルを未然に防ぐ予防的効果がある

弁護士であれば、法的なトラブルを未然に防ぐ予防的効果が期待できます。売却時に生じうる法的リスクを事前に洗い出し、契約内容を調整することで問題発生を最小限に抑えられます。弁護士がポイントを押さえて契約書をチェックするため、後から不備を指摘される確率が減ります。こうした未然防止の観点は、売主・買主双方にとってメリットとなります。

スムーズな交渉で早期解決につながる

弁護士であれば、スムーズな交渉で早期解決につながる可能性があります。弁護士は交渉のプロでもあるため、売却条件や契約条項に関して当事者同士がもめたときにも、適切に落としどころを探って合意に導きやすいです。個人同士で話し合う場合に比べて、感情的対立が緩和され、スピーディーな決着が期待できます。結果として、売却完了までの時間短縮に寄与するのが大きな利点です。

入念なリスク管理で損害を最小限に抑えられる

弁護士であれば、入念なリスク管理で損害を最小限に抑えられる可能性があります。あらゆる書類や契約の段階でリスクをチェックしておくことは、将来的な損害の発生を抑えるために重要です。弁護士の視点を入れることで、売買成立後に起こりそうな問題を事前に特定し、対策を施すことができます。結果として、万が一トラブルになっても損害拡大を防ぎやすい体制を築けます。

買主からの信頼が得られる可能性がある

弁護士が対応することで、買主からの信頼が得られる可能性があります。法的観点がしっかりと押さえられている取引であれば、契約書への納得感が得やすく、取引成立のスピードアップにもつながります。

不動産売却における弁護士費用の相場と内訳

弁護士に依頼する際には費用がかかるため、その目安や内訳をあらかじめ把握しておくことが大切です。弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金などいくつかの項目に分けられ、事案の複雑さや売却額に影響を受けます。
一般的な相場を踏まえつつ、事前に見積もりを取り寄せることが失敗を防ぐコツです。ここでは、相談料から成功報酬まで、代表的な項目を確認しましょう。

相談料と着手金の目安

一般的な目安として、相談料は30分あたり5,000〜10,000円程度、着手金は案件の規模や複雑性によって10〜30万円程度が多いとされています。売却前の初期段階で相談だけ行い、その後の着手をどうするか検討する方も少なくありません。まずは初回面談で費用感や依頼の必要性を見極めるのが良いでしょう。

成功報酬の目安

成功報酬は、売却金額に応じて増減する仕組みをとっている弁護士事務所もあります。例えば売却額の数%〜十数%と設定されるケースが一例として挙げられます。報酬形態を事前に確認し、自分の売却プランと照らし合わせて納得できるかどうかを判断することが重要です。

訴訟対応や調停・仲裁など実費

訴訟に発展すると、裁判所に納付する印紙代や、郵送・交通費などの実費が追加でかかります。調停や仲裁手続きでも同様に手数料が発生する場合があるので、弁護士費用に加えてこうしたコストも考慮する必要があります。事前に見積もりを取り、全体のコストを把握してから本格的に依頼したほうがよいでしょう。
特に契約不適合責任や競売手続きなど、複雑な法的問題を扱う場合には追加費用がかかりやすいです。大まかな予算感を把握し、複数の弁護士から相談を受けて比較検討する姿勢が大切です。

弁護士費用を抑えるコツ

複数の弁護士事務所に依頼内容を伝えて見積もりを取ると、費用面で最適な選択をしやすくなります。また、簡易な契約書チェックなど部分的な業務だけを依頼する方法も効果的です。必要に応じてオンライン相談などを活用することで、移動や時間のコストを削減できる場合があります。

不動産に強い弁護士を選ぶポイントは?

不動産売却の際に弁護士のサポートを受けるなら、不動産分野に特化した経験豊富な弁護士を選ぶことが欠かせません。ここでは、不動産に強い弁護士の選び方の基準を紹介します。

不動産案件の解決実績を確認する

不動産案件の解決実績を確認しましょう。不動産問題は一般的な法律相談とは異なり、物件の特性や権利関係、実務的な観点を総合的に判断する力が求められます。そのため過去の実績が豊富で、実際に似た事例をどれだけ解決してきたかという点は頼りになる指標です。ウェブサイトや問い合わせ時に、具体的なケースを質問してみると実力を見極めやすくなります。数多くの事例をこなしている弁護士であれば、突発的なトラブルにも柔軟に対応しやすいでしょう。

コミュニケーションの取りやすさなどを確認する

弁護士とのコミュニケーションの取りやすさやレスポンスの速さを確認しましょう。
相談しやすい雰囲気かどうかも、見逃せない要素です。頻繁に相談し合いながら売却手続きを進めるため、相談者との相性やレスポンスの早さが大切になります。不動産売却は密なやり取りが求められるため、相談へのレスポンスが早い弁護士ほど安心感があります。難しい法律用語を平易な言葉で説明してくれるか、定期的に進捗を共有してくれるかも重要なチェックポイントです。スムーズなやり取りは結果的に売却期間の短縮やトラブル回避につながります。

弁護士費用と見積もりの明確さを確認する

弁護士費用の内訳と見積もりの明確さを確認しましょう。弁護士費用は各事務所によって算定方法が異なるため、相談時には着手金や報酬金、諸経費がどの程度かかるのかについて、見積もりを取ることが大切です。
提供されるサービスと費用が見合っているかも大事なポイントです。内容が曖昧なまま契約すると、後から追加費用を請求される可能性があります。

他士業との連携を確認する

他士業との連携を確認しましょう。不動産売却には税金面のアドバイスや登記の手続きをはじめ、さまざまな専門家が関わるのが一般的です。税理士や司法書士と連携できる弁護士であれば、ワンストップで必要な手続きが進められ、手間や時間を大幅に削減できます。結果として、売却手続きの準備や実行がスピーディーで安心感のあるものになります。

不動産に強い弁護士の探し方は?

実際に不動産に強い弁護士を探すには、どのような方法があるか解説します。

弁護士検索サイト・ポータルサイトを活用する

弁護士検索サイト・ポータルサイトを活用しましょう。遠方に住んでいる方や忙しくて時間がない方にとっては、オンラインで検索できるサービスや紹介サイトの活用が便利です。地域や得意分野でフィルタリングできる弁護士検索サイトを利用すると、候補を効率的に見つけられます。
ただし、掲載内容の正確性や更新状況はサイトによって異なるため、複数のサイトで情報を比較するのが望ましいです。気になる弁護士を見つけたら直接問い合わせて詳細を確かめましょう。

不動産会社や知人の紹介を受ける

不動産会社や知人の紹介を受ける方法もあります。知り合いや不動産会社からの紹介であれば、過去の実績を聞けるため信頼度が高い場合があります。不動産会社は日常的にさまざまな案件を扱っているため、優秀な弁護士を知っている可能性があります。実際に一緒に仕事をした経験がある弁護士なら信用性が高く、スムーズな連携が期待できます。
知人が利用した弁護士を紹介してもらう場合は、生の体験談を聞くことができ、判断材料として役立ちます。依頼後に後悔しないためにも、複数の弁護士事務所を比較検討することが大切です。

弁護士会に相談をする

各都道府県にある弁護士会に相談してみましょう。弁護士の情報は各地の弁護士会でも得られ、無料相談会を実施しているケースがあります。こうしたサービスを上手に活用すれば、初めての不動産売却でも弁護士探しがスムーズに進むでしょう。

まとめ

不動産売却は高額な財産を扱ううえで、少しの不備が大きなトラブルを引き起こす可能性があります。そうしたリスクを回避するためには、早めの専門家相談と法的視点からのサポートがポイントです。
弁護士の専門知識を活用することで、権利関係や契約内容を適切に整理し、売却後に想定される問題を未然に防ぎやすくなります。特に抵当権や相続が絡む複雑な不動産では、弁護士の存在が取引成功のカギを握ることも珍しくありません。費用面とのバランスを考慮しながら、必要な場面では弁護士の力を借りる選択肢を積極的に検討してみてください。
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