評価損・格落ちとは

車両が損傷を受けた場合、修理したとしても、機能や外観に欠陥が残存することがありますし、また、事故歴がある事自体によって、隠れた欠陥があるかもしれません。

このような、事故による車両の価値の低下を評価損と言います。

評価損についての裁判所の判断傾向としては、以下のものが挙げられます。

・修理費用に対して10%から30%の範囲での肯定例が多い

・外国車は修理費用に対して20%以上、国産車は10%台での肯定例が多い

・新車同然の新しい車両や、希少価値のある高級車などの事案において、修理費用に対して50%以上の認定例も存在する

・初年度登録後の期間、走行距離が長いものについても、損傷が大きいものについては肯定例が存在する(トヨタアルファード、初度登録後役3年6か月、走行距離4万3974キロメートル、損傷大)。

・損傷の程度が骨格部分に及んでいることを要件としないのが最近の裁判例では多くなっている

・日本自動車査定協会作成の事故減価額証明書や業者の査定価格等は採用されないこともあるが、参考にされている

以上を踏まえると、評価損の評価基準としては、車種、走行距離、初度登録からの期間、修復歴の表示義務の有無、修理の程度、事故当時の同型車の時価等諸般の事情を考慮されていることがわかります。

加害者及び保険会社が、評価損を認めないという対応をしてきた場合、判例の示す一般論として、「不法行為による物の滅失、既存に対する現実の損害賠償額は、特段の事情のない限り、滅失既存当時の交換価格によりこれを定めるべきである」(最判昭和32年1月31日)といったものがあります。

これらを示しながら、粘り強く交渉を進めることになりますので、弁護士の力が必要になります。

 

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