配偶者の浮気や不倫に気付いたら、どうするべきでしょうか。
気持ちに整理をつけて、新しい一歩を踏み出すために慰謝料請求を検討するかたもいらっしゃるでしょう。
でも、有利に慰謝料請求を行うためには証拠が不可欠です。
そこで、この記事では浮気や不倫の慰謝料請求時に有効な証拠とはどのようなものか、詳しく解説します。

浮気や不倫の慰謝料請求に有効な証拠とは

浮気や不倫に悩んでいる場合、慰謝料請求は有効な解決策の1つです。
しかし、慰謝料請求をするには、不貞行為をしていた証拠が必要です。では動かぬ証拠を突き付けるためには、どんな証拠を用意すると良いのでしょうか。

LINEやメール・SNS

スマートフォンの普及に伴い、今では誰でもLINEやメールアプリを使うようになりました。特にLINEは普及率が高く、老若男女問わず幅広い世代が利用しています。不倫の密会に関してもLINEをはじめとするメールアプリでやり取りしている方は多く、実際に法律事務所でも慰謝料請求の証拠に活用することがよくあります。

また、匿名性の高いSNSのDMもやり取りの見つかりにくさもあって利用されていることがあります。性行為を匂わせるメッセージや、添付された写真に性行為を疑うものがあれば大変有効な証拠になります。

写真や動画

不貞行為を行っている方の中には、性行為の写真や動画を残されていることがあります。スマートフォン内に残っていることもあれば、DVDやパソコン内にデータを残していることもあります。直接的な行為の写真ではなくても、下着で寛ぐ二人の写真や旅行を匂わせるような内容も証拠として活用できるでしょう。

クレジットカードの支払い履歴や領収書

こちらは昔から使われている不貞行為の資料ですが、クレジットカードの支払い履歴や領収も不貞行為を裏付ける資料になります。特にラブホテルと特定できるものは大きな証拠になります。

シティホテルや一般的な温泉施設の領収書は効果としては弱いとしても、行動履歴としては有効です。先にご紹介した写真や動画の日時と領収書が一致していれば、より説得力のある証拠となります。

自白した音声

浮気したことを自白している音声データも有効な証拠となります。こういうケースでは、後々証言をひっくり返されないように、書面や音声データで証拠を残しておきましょう。その際には、不貞行為を「いつ・誰が・どこで・なにをしたか」「浮気はいつからしていたか」「肉体関係は何回あったか」「浮気相手の名前と住所」なども可能な限り詳細に録音しておきましょう。

手紙やメモ類

メールアプリの拡大とともに減ってきた証拠ですが、手紙やメモ類なども有効な証拠になることがあります。但しただの好意を示す程度の内容やお礼程度の手紙ですと、不貞行為の証拠としては弱い可能性があります。こちらもその他の資料と組み合わせることがおすすめです。

LINEやメールで浮気・不倫が発覚！この証拠だけで慰謝料は請求できる？

配偶者の浮気や不倫に気付く人の多くはLINEやメールがきっかけ、という方が多くいます。コソコソとスマホを隠したり、通知音を消すようになったりと、ささやかな変化から気が付く人が多いようです。お風呂やトイレにまでスマホを持ち込むことで、浮気や不倫を疑ったというご相談も少なくありません。

では、LINEやメールの証拠だけで慰謝料は請求できるのでしょうか。結論から言うと、LINEやメールのやり取りだけでも慰謝料請求は可能です。しかし、浮気や不倫で慰謝料を請求したい場合には、「不貞行為」があった事実を被害者側が立証する必要があります。その際にポイントとなるのは「直接証拠」と「関節証拠」です。

直接証拠

直接証拠とは明らかに当人同士が性行為をしている写真や動画が該当します。LINEにはトークラインだけではなく、友達となっている方と写真や動画、アルバムやファイルを共有することができます。

トークラインには直接証拠がなくても、こうした共有スペースに存在していることがあるので確認をしてみることがおすすめです。直接証拠は揺るぎない事実となるので、有力な証拠として生かせます。

間接証拠

不貞行為を立証する際にLINEやメールしかない場合、直接証拠が「性行為の事実の写真や動画」なら、間接証拠は性行為をうかがわせるような「文章」と区別するとわかりやすいでしょう。写真や動画がなくても諦める必要はありません。

LINEのトーク履歴を辿っていくと、性行為を伺わせるような内容が出てくる可能性があります。直接証拠と比べると弱いですが、はっきりと性行為の内容についてやり取りしている場合には有力な証拠になります。但し、「先週は楽しかったね」や「また会いたいな」程度のやり取りですと、浮気や不倫を匂わせてはいますが不貞行為と断定はできません。

LINEやメールを証拠に残す際の注意点

配偶者のLINEやメールで不貞行為の写真や動画、メールを見つけたらどうするべきでしょうか。この項では証拠の残し方について紹介します。

ご自身のスマホやデジカメなどで撮影する

LINEやメールで不貞行為をうかがわせる内容を見つけたら、ご自身のスマホやデジカメなどで相手のスマホを撮影しましょう。性行為の写真や動画といった直接証拠があれば良いですが、トーク履歴も大切な証拠になります。

トーク履歴が多い場合には日付や日時がわかるように、古い履歴から辿るように画面をスワイプさせて動画や写真で撮影することがおすすめです。しかし、時間がない場合には不貞行為をうかがわせる部分を撮影することを優先しましょう。

「自分のスマホではない」という主張をさせないために、機種の裏面（スマホカバーや傷がわかるなど）など相手のスマホの本体であることも同時に撮影することが大切です。

転送やスクリーンショットは見つかる可能性も

LINEやメールを見つけて、自分のスマホやパソコンに転送・スクリーンショットを送る際には履歴が残りやすく相手に見つかってしまう可能性があります。

すると、その他の不貞行為の証拠を隠匿されたり、相手が激高したりとトラブルに発展する可能性があります。また、いくら配偶者であっても、スマホを勝手に覗くのは望ましいことではありません。難易度の高い残し方なので、慎重に行う必要があるでしょう。

違法な行為で浮気の証拠を掴むのはNG

浮気の証拠を掴むためだったら何をしても良いという訳ではありません。場合によっては、不正アクセス禁止法やプライバシーの侵害、ストーカー規制法などの法律に違反してしまう可能性があります。そうなれば逆に相手から訴えられてしまうかもしれません。

例として、配偶者のスマホのパスワードを不正に入手して中身を見る、浮気相手の家に侵入する、などは違法な行為となります。浮気の証拠を集める際は、まず弁護士などの専門家に相談をして慎重に行うことをおすすめします。

まとめ

この記事ではLINEやメールだけで、浮気や不倫に関して慰謝料請求をする方法や注意点を紹介しました。ご自身の手で証拠を冷静に撮影し、慰謝料の請求に臨むことは大変なストレスです。ぜひ不貞行為に関する慰謝料請求に強い弁護士に相談し、解決を目指すためのアドバイスを受けてみてください。

また、無理に証拠を残そうとすると浮気や不倫の事実を隠されてしまい慰謝料請求が難しくなるケースもあります。安全に、かつ法的に有効な証拠を残すためにも気軽に法律相談を活用されることがおすすめです。