不貞行為期間約3年 不貞行為によって婚姻期間28年あった関係が破綻の危機に瀕しており、慰謝料200万円を認めた事例

不二子が、不二夫と愛子が不貞行為に及んだとしてその慰謝料等の支払を、不二夫が愛子と関係を有する中で愛子に貸付けを行ったとして、その返還等を求める事案である。


不二夫は、性風俗店(デリバリーヘルス)を利用した際に、派遣されてきたのが愛子であり、その後店舗外でも会うようになり不貞関係を持った。不二夫は愛子に全61回にわたり計714万4000円の金員を交付し、愛子はこれらを受領した。


不二子は、長年にわたり、パイロットという特殊な職業にある不二夫を支えるべく努めてきたが、不二夫らの不貞行為が発覚して以降、大きなショックを受け、うつ状態と診断されるなど体調にも異変を来し、経済的な面も考慮して離婚するには至っていないものの、許すこともできず、別居状態となっている。不二子らの婚姻期間は28年に及び離婚に至っていないものの、不貞行為により破綻の危機に瀕していると評価すべき状況にあり、不貞行為の期間は約3年と長いものであること、不二夫が愛子に交付した金員が貸付金であったか否かは別として、不二子の立場で見れば、本来夫婦の共有財産であるべきものが不貞行為を原因として失われたものであること、他方で不貞関係は愛子が主導的とまでは言い難いこと等の事情を考慮し、不二子に認められるべき慰謝料は200万円、弁護士費用20万円の計220万円が相当とされ、不二夫の請求については、主位的請求原因である金銭消費貸借ないしその要件としての返還合意についても、予備的請求原因である詐欺の不法行為ないしその要件である愛子の欺罔行為についても、不二夫の供述に信用性を認めることはできず、その他の証拠によってもこれを認めることはできないとし、棄却した。

当事者の情報

不貞期間約3年半
請求額愛子へ550万円
不二夫へ714万4000円
認容額愛子へ220万円
不二夫へ0円
子供人数
婚姻関係破綻の有無破綻していない

関連事例

  1. 不貞行為時までに婚姻関係が破綻した事実は認められず、慰謝料1…

  2. 不貞行為を有していたと推認され不法行為が成立 不貞行為の態様…

  3. 婚姻関係が破綻していたと信じたことに相当な理由があるとも言い…

  4. 婚姻期間22年と安定した婚姻関係を築いていたが、不貞行為によ…

  5. 婚姻関係は破綻していないが、約2ヶ月の間に14回の不貞行為に…

  6. 約半年に渡る複数回の不貞行為によって精神的に追い詰められた点…

検索

最近の記事

ご相談は無料です。
まずはお気軽にご相談ください。
  • 相談無料
  • 相手に合わせなくてOK
  • 全国対応
0120-1313-22
平日9:00-21:00 対応
メール・LINEにて
24時間受付中
PAGE TOP