更新日:2023年8月1日 (火)

公開日:2023年8月1日 (火)

ペットフードの無添加表記について

ペットフードの無添加表記について ペットフードの無添加表記について

サマリー

ペットフードに「無添加」「着色料不使用」と表示できるのは、公正競争規約施行規則が定める条件を満たす場合に限られます。添加物については、添加物便覧に記載された添加物を加工助剤やキャリーオーバーを含めて一切使用していないことが確認できる必要があります。条件を満たさない無添加表示は優良誤認表示となるおそれがあります。

ご相談の内容

Q:ペットフードを販売する事業者です。ペットフードの表記において、着色料・香料・保存料の添加物不使用と記載することは可能でしょうか?

回答の結論

A:一定の条件を満たす場合は、無添加表記をすることができます。

添加物表記に関する法規制

そもそも、ペットフード安全法で添加物とは、次のとおり定義されています。

ペットフード安全法に関するQ&A A4(農林水産省)

ペットフード安全法で添加物とは、ペットフードの製造の過程において又はペットフードの加工若しくは保存の目的で、添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいいます。

そして、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(以下「ペットフード安全法」といいます。)5条1項に基づき定められた愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令の別表の3(販売用愛玩動物用飼料の表示の基準)は、次のとおり定めています。

愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令 別表の3(1)

(1) 販売用愛玩動物用飼料には、次に掲げる事項を表示しなければならない。

① 販売用愛玩動物用飼料の名称

② 原材料名

③ 賞味期限(定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。)

④ 製造業者、輸入業者又は販売業者の氏名又は名称及び住所

⑤ 原産国名

この「原材料名」の書き方については、平成21年5月29日付け21消安第2236号・環自総発第090529009号「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律の施行について」(農林水産省消費・安全局長、環境省自然環境局長連名通知)の第3の3の(3)が、次のとおり定めています。

愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律の施行について(21消安第2236号・環自総発第090529009号)第3の3(3)

「原材料名」又は「原材料」の文字を記載した上で、原則として使用した原材料(添加物も含まれる。)を全て記載する。

添加物にあっては、加工助剤(愛玩動物用飼料の加工の際に添加される物であって、当該愛玩動物用飼料の製造の過程において除去されるもの、当該愛玩動物用飼料の原材料に起因してその愛玩動物用飼料中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられ、かつ、その成分の量を明らかに増加させるものではないもの又は当該愛玩動物用飼料中に含まれる量が少なく、かつ、その成分による影響を当該愛玩動物用飼料に及ぼさないものをいう。)を除き、原材料として使用したものを全て記載することとする。

かかる基準に基づき、ペットフードの製造において、添加物を使用した場合には、当該ペットフードのパッケージ等に、使用した添加物を記載する必要があります。

もっとも、原材料に含まれる添加物の表示までは義務付けられておりません。

そこで、例えば「かにかま」や「チーズ」などの食品をペットフードに配合する場合、「かにかま」、「チーズ」を原材料名として表示します。

「かにかま」に赤い色素が使用されている場合、色素を原材料として表示することまでは義務付けられておりません。

また、いわゆる加工助剤については、表示を省略することができます(上記通知第3の3(3))。

添加物表記に関する他の規制について

不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」といいます。)36条1項に基づき、事業者または事業者団体が、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択および事業者間の公正な競争を確保するために設定する自主基準として、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」(以下「公正競争規約」といいます。)があります。内閣総理大臣(権限は消費者庁長官に委任されています。)および公正取引委員会の認定を受けたもので、直近の変更は令和6年9月30日公正取引委員会告示第4号により認定され、令和6年10月1日から施行されています。

なお、公正競争規約の根拠条文は、令和5年法律第29号による改正(令和6年10月1日施行)により、従前の景表法31条から36条に繰り下がっています。

公正競争規約は、景表法上の優良誤認・有利誤認表示のガイドライン的な意味合いをも有しており、これに適合するような表示をすることが望ましいものと考えられます。

そして、無添加表記については、公正競争規約上以下のとおり定められています。

ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則7条(4)

(4) 「無添加」、「不使用」又はこれらに類似する用語は、無添加である原材料名等が明確に併記され、かつ、当該原材料につき、次のア又はイの基準を満たす場合に限り、表示することができる。

ア 添加物以外の原材料に係る表示については、ペットフードの全ての製造工程において当該原材料が使用されていないことが確認できる場合

イ 添加物に係る表示については、当該添加物につき、ペットフードの表示のための添加物便覧に記載された添加物(加工助剤、キャリーオーバー及び栄養強化目的で使用されるものを含む。)を一切使用していないことが確認できる場合

無添加である原材料名等を明確に併記することが条件になっている点に注意が必要です。単に「無添加」とだけ記載することは認められていません。

かかる条項からすれば、例えば着色料無添加を表記する場合、当該商品に含まれる原材料やその生成に当たり一切の着色料が使用されていない場合には、着色料無添加を表示できることになります。

その他にも、添加物を一切示さずに単に無添加と表記する場合や、〇〇無添加と表示したが、〇〇と同一・同種の効果を有する他の添加物を使用している場合等には、景品表示法上の優良誤認表示に該当する可能性があります(景表法5条1号)。

優良誤認表示に当たるかを判断する必要がある場合、消費者庁は期間を定めて表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、提出されなければ不当表示とみなされます(景表法7条2項)。無添加表示の根拠資料は、あらかじめ整えておく必要があります。

まとめ・ご相談はネクスパート法律事務所へ

以上のとおり、ペットフードには、人の食品とは異なる諸規制がある他、表示の仕方次第では、違法となる可能性もあります。

ネクスパート法律事務所ではペットフードの表記や広告等のリーガルチェックに関して、ペット事業者向けの専門チームで対応させていただいております。

また、日頃分からないことがあれば、チャットワーク等でご相談いただき、弁護士からすぐに返答させていただくサービスも提供しております。

ぜひ一度無料相談のお問い合わせをください。

ペットフードの表示に関する公正競争規約(ペットフード公正取引協議会)も併せてご確認ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的な対応については弁護士にご相談ください。

コラム監修者

HIROTO OMATA

HIROTO OMATA

所属:東京オフィス

弁護士登録後、企業法務・一般民事事件を扱う都内の法律事務所に入所。2023年にネクスパート法律事務所に入所、企業法務部に所属。

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