更新日:2023年9月25日 (月)

公開日:2023年9月25日 (月)

ペットフードにおけるプロピレングリコールの使用について

ペットフードにおけるプロピレングリコールの使用について ペットフードにおけるプロピレングリコールの使用について

サマリー

プロピレングリコールは、猫用のペットフードに用いてはならないと定められています。もっとも、農林水産省と環境省の連名通知は、原材料に由来するプロピレングリコールであって含有量が猫への健康影響が想定されない量である場合まで規制対象とするものではないとしています。原材料として用いる場合と、原材料の製造過程で用いられている場合の違いを解説します。

ご相談の内容

Q:現在キャットフードの製造開発を行っているのですが、その原材料の製造過程においてプロピレングリコールが使用されています。
原材料としてプロピレングリコールを使用すしはならないことは知っているのですが、原材料の製造過程にそれが使用されている場合でもNGでしょうか?

回答の結論

A:猫の健康被害が及ばない量のプロピレングリコールが原材料に由来して含まれているにとどまる場合は、規制の対象となりません。

愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律

海外でペットフードによるペットの健康被害報告が相次ぎ、日本にも問題となった有害物質が含まれたペットフードが海外から輸入されていた問題、その他ペットの飼育数が増加している状況からして、ペットフードに関する安全性確保が急務となったことから、

愛がん動物の健康を保護し、動物の愛護に寄与することを目的とし、平成20年に愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(以下「ペットフード安全法」といいます。)が制定されました。平成20年法律第83号として公布され、平成21年6月1日から施行されています。

ペットフード安全法は、犬と猫の飼料に関する基準や規格等を定める法律で(ペットフード安全法施行令1条)、具体的には、

愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律5条1項

「農林水産大臣及び環境大臣は、愛がん動物用飼料の使用が原因となって、愛がん動物の健康が害されることを防止する見地から、農林水産省令・環境省令で、愛がん動物用飼料の製造の方法若しくは表示につき基準を定め、又は愛がん動物用飼料の成分につき規格を定めることができる。」

と定めています(ペットフード安全法5条1項)。

プロピレングリコールに関する規制

ペットフード安全法5条1項に基づき定められた愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令(平成21年農林水産省・環境省令第1号)の別表の2の(3)において、

次のとおり定められています。

愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令 別表の2(販売用愛玩動物用飼料の製造の方法の基準)の(3)

(3) プロピレングリコールは、猫を対象とする販売用愛玩動物用飼料に用いてはならない。

プロピレングリコールは、人体にはほとんど無害で、人用の香料に用いられることが多いため、キャットフードを製造する際に、これにプロピレングリコールが含まれている原材料が混入する可能性があります。

では、原材料の中に猫に害を及ばさない範囲でプロピレングリコールが使用されている場合であっても、一切これが使用できないのでしょうか?

この点、平成21年5月29日付け21消安第2236号・環自総発第090529009号「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律の施行について」(農林水産省消費・安全局長、環境省自然環境局長連名通知)の第3の3の(2)の③において、次のとおり定められています。

愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律の施行について(21消安第2236号・環自総発第090529009号)第3の3(2)③

「プロピレングリコールは、猫を対象とする販売用愛玩動物用飼料に用いてはならないこと。なお、販売用愛玩動物用飼料の原材料に由来するプロピレングリコールであって、その含有量が猫への健康影響が想定されない量である場合まで規制対象とするものではない。」

以上からすると、

原材料においてプロピレングリコールを使用することは、健康被害が及ばない範囲であってもNGですが、

原材料の製造過程においてプロピレングリコールが使用されている場合でかつそれが健康被害が及ばない範囲であれば、ペットフード安全法の規制の対象外となります。

もっとも、通知が規制対象外としているのは「原材料に由来する」場合であり、かつ「猫への健康影響が想定されない量」に限られます。原材料の仕入先から含有量の資料を取得し、記録として残しておくことが実務上重要です。

なお、基準に合わない方法により製造されたペットフードの製造・輸入・販売は、何人も行ってはならないとされており(ペットフード安全法6条)、違反した場合には廃棄等の命令の対象となります(同法8条)。

まとめ・ご相談はネクスパート法律事務所へ

ペットフードに関する法的規制に関しては、非常に専門性が高く、しっかりとしたリーガルチェックが必要です。

ネクスパート法律事務所では、ペット法務の専門チームがあり、これらのお悩みに対応することができます。

ペットフードの法的規制に関して、不安がある事業者様は、ぜひ一度ネクスパート法律事務所にご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的な対応については弁護士にご相談ください。

コラム監修者

HIROTO OMATA

HIROTO OMATA

所属:東京オフィス

弁護士登録後、企業法務・一般民事事件を扱う都内の法律事務所に入所。2023年にネクスパート法律事務所に入所、企業法務部に所属。

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