自己破産で携帯・スマホは使えなくなる?使えるケースや注意点を解説
生活必需品である携帯・スマホが使えなくなることに、不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
自己破産すると、携帯・スマホが使えなくなることがあります。ただし、全てのケースで使えなくなるわけではありません。
この記事では、次の点を解説します。
- 自己破産すると携帯・スマホはどうなる?
- 自己破産をしてもそのまま携帯・スマホが使えるケース
- 自己破産前後の携帯・スマホ上の留意点
自己破産を検討している方は、ぜひ参考になさってください。
自己破産すると携帯・スマホはどうなる?
自己破産をすると、携帯・スマホはどうなるのでしょうか。
ここでは、自己破産における携帯・スマホの取扱いを解説します。
携帯・スマホの機種代金を分割払いしている場合
機種代金の分割払いが残っている場合、使用中の携帯・スマホは使えなくなります。
携帯・スマホ本体の分割払いは、他の債務と同様に扱われるので、携帯会社との契約が解除されます。機種代金だけ支払い続けることは偏頗弁済にあたります。
ただし、原則として携帯・スマホ本体の返還は求められません。
携帯・スマホの契約では、端末の引き渡し時に所有権が移転すると規定されていることがほとんどだからです。携帯・スマホ自体は手元に残るでしょう。
携帯・スマホの通信料を滞納している場合
通信料を滞納している場合、携帯・スマホは使えなくなります。滞納通信料も他の債務と同様に扱われ、契約を解除されるからです。
ただし、滞納額が少額である場合には、使用を続けられる場合もあります。
家族全員の携帯・スマホも自分名義で契約している場合
携帯・スマホのファミリー契約の契約者が自己破産すると、家族が使っている契約も解約されます。
ただし、家族の携帯・スマホの利用分や機種代金を当該家族が自ら支払っている場合は、解約されません。
自己破産してもそのまま携帯・スマホが使えるケース
ここでは、自己破産しても携帯・スマホが使えるケースを紹介します。
携帯やスマホの機種代金を完済している場合
次のケースでは、自己破産しても携帯・スマホの使用を続けられます。
- 携帯・スマホの機種代金を完済している場合
- 携帯・スマホを一括払いで購入した場合
携帯・スマホは原則没収されない
自己破産では、20万円を超える価値のある財産は原則没収されますが、携帯・スマホは処分の対象から外されています。中古で20万円を超える携帯・スマホはほとんどないからです。
携帯・スマホの通信料の滞納がない場合
通信料の滞納がない場合は、自己破産後も使用を続けられます。
月々の支払いは偏頗弁済にならない
自己破産申立後、特定の債権者に借金を返済することは禁じられていますが、月々の通信料は家賃・水道光熱費の同様に生活に必要な費用として支払えます。
自己破産前後の携帯・スマホの利用上の注意点
ここでは、自己破産前後の携帯・スマホの利用上の注意点を紹介します。
自己破産の前に携帯・スマホの滞納料金を一括返済するのはNG
自己破産で携帯・スマホの契約を解約されないために、申立前に一括返済してはいけません。
借金の返済ができなくなった後に特定の債権者に返済する行為は、偏頗弁済として免責が許可されません。携帯・スマホを使うためにした行為が、結果的に借金を免除されない事由となるおそれがありますので気を付けましょう。
自己破産前にキャリア決済は利用しない
借金の返済ができなくなった後、キャリア決済を利用するのはやめましょう。キャリア決済も偏頗弁済とみなされ、免責を得られない可能性があります。
申立前にキャリア決済を利用した場合、携帯電話会社にもよりますが、契約が解除されるケースもあります。
自己破産前でも携帯ブラックになることがある
自己破産をする前でも、通信料を滞納すると携帯ブラックになる可能性があります。
多くの携帯電話会社は、電気携帯電話会社協会(TCA)に加盟しています。通信料を滞納すると、その情報がTCAに登録され、加盟している携帯電話会社間で共有されます。一般に携帯ブラックと呼ばれています。
免責許可の確定後は携帯ブラックが解消される
免責許可決定が確定すると携帯ブラックが解消されますので、新規契約できる可能性はあります。
自己破産後の携帯・スマホ新規購入は一括払いが原則
自己破産後は、原則として、携帯・スマホの機種代金を分割払いにできません。
自己破産すると、信用情報機関に事故情報が登録(ブラックリストに載る)されます。事故情報は自己破産後5~10年間残ります。
キャリア変更(MNP)の必要がある
自己破産後、新たに携帯・スマホを契約するときは、キャリア変更の必要があります。
自己破産により契約が解除された携帯電話会社とは、原則として新たに契約できなくなります。ブラックリスト以外に、携帯電話会社独自の情報として自己破産した事実が残ることがあるからです。
自己破産前の携帯電話番号をそのまま使用したい場合は、ナンバーポータビリティ(MNP)を利用します。MNPを利用するためには、移行前の携帯電話会社からMNP予約番号を取得しなければなりません。自己破産により契約が解除されるおそれがある場合は、事前に予約番号を取得しましょう。
預託金が必要になることがある
自己破産後の新規契約に際して、5~10万円程度の預託金を求められる場合があります。
携帯電話会社は、契約申込者に未払が発生するおそれがある場合、あらかじめお金を預かることで、利用料金の踏み倒しを防ぎます。
解約時に残金があれば返金されますが、大手キャリアとの契約では、預託金を求められる可能性がある点に留意しましょう。
まとめ
携帯・スマホが使えなくなると困るため、自己破産を躊躇している方もいるかもしれません。
解約されても携帯を持つ方法はあり、自己破産しても携帯・スマホを使えるケースがほとんどです。
借金問題を根本的に解決できなければ、いずれ料金が支払えなくなるおそれがあります。弁護士に依頼すれば、携帯の使用に影響が及ばない解決方法を提案してもらえます。
お困りの方はお気軽に当事務所にご相談ください。借金に関する相談は初回30分無料です。