自己破産で家族に影響すること・しないこと - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

自己破産で家族に影響すること・しないこと

自己破産によって、家族や親族に悪影響が出るのではないかと心配される人も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は次の3点について詳しく解説します。

 

  • 自己破産によって生じる家族への影響
  • 自己破産をしても家族へ影響がないこと
  • 自己破産を家族に内緒で行えるか

 

自己破産による家族への影響

自己破産による家族への影響について詳しく解説します。

 

持ち家や車などの財産が処分される

自己破産手続きでは、ある一定の資産を処分し、債権者への配当に充てます。

 

処分の対象となる財産については、次のものが挙げられます。

 

  • 土地・住宅などの不動産
  • 預貯金
  • 20万円以上の価値がある財産

 

20万円を超えない程度の財産は、処分の対象とならず手元に残せます。

 

また処分の対象となるのは、自己破産をした人の所有物のみに限られます。

家族名義の財産(自己破産をしていない人の財産)は処分されません。

自己破産で処分される財産についてはこちらの記事もご参照ください。

 

家族が保証人の場合は借金の返済義務が生じる

自己破産手続きが開始すると、債権者は債務者に対して催促や取り立てができなくなります。

 

そのため債権者は残された債権を回収するために、他の連帯保証人に対して請求をします。

 

家族が連帯保証人や保証人になっていた場合、債権者の催促や取り立てがそちらへと移行します。

 

家族で利用しているカードが使えなくなる

自己破産をした本人名義のカードは使えなくなります。

 

また破産者名義の家族カードを利用している場合、そのカードも使えなくなります。

 

もっとも使えなくなるのは自己破産をした本人のみなので、新しく家族がカードを作る分には問題ありません。

学資保険が解約されてしまう

自己破産をすると、子どもの学資保険が解約される場合があります。

 

自己破産で処分対象となる財産は20万円以上のものです。

 

これは保険に関しても当てはまります。

 

例えば、学資保険の解約返戻金が20万円以上であれば、現金化して債権者へ分配される対象となるため解約しなければいけません。

 

どうしても学資保険が必要な場合、裁判所に対して必要性を説明し、解約返戻金と同じ金額を破産管財人に対して支払うことにより保険を維持できる場合もあります。

 

保険を維持したいがために、学資保険の契約者を家族や親族など他の人の名義に変更するのは推奨しません。財産隠しを疑われる可能性があるためです。

 

自己破産をしても家族へ影響がないこと

自己破産をしても家族へ影響がないことについて解説します。

戸籍や住民票

自己破産に関してよくある誤解として、戸籍や住民票に自己破産をしたことが記載されるのではないかというのが挙げられます。

 

結論から言うと、自己破産をしても戸籍や住民票には一切記載されません。

 

ただし各市町村に備え置かれている破産者名簿には自己破産したことが記載されます。

 

もっとも破産者名簿は第三者が見れないため、そこから誰かにバレてしまう心配もありません。

 

また破産者名簿に関しても、免責決定が確定すれば削除されます。

 

結婚

自己破産をしていても問題なく結婚できます。

 

また戸籍や住民票に自己破産したことは記載されていないため、そこからばれてしまう心配もありません。

 

結婚後に自己破産を知られるケースには、次のものが考えられます。

  • ローンを組めない
  • 新しくクレジットカードを作れない
  • 官報を通して自己破産をしたことが知られる

 

就職や仕事

過去に自己破産をしていたとしても、就職や仕事に影響しません。

 

また自己破産をしたことを理由に解雇することが法律上認められていないため、クビになる心配は無用です。

 

ただし金融機関や経理職など、お金に関する職業に関しては、会社独自で自己破産をした人は採用しない場合があります。

 

次のような職種では、自己破産者に対する資格制限を定めています。

  • 宅地建物取引士(宅地建物取引業法18条1項2号)、公認会計士(公認会計士法4条4号)や税理士(税理士法4条2号)などの士業
  • 警備員(警備業法14条1項)
  • 公証人(公証人法14条2号)
  • 交通事故相談員(交通安全活動推進センターに関する規則4条1項2号)
  • 固定資産評価員(地方税法407条1号)

 

信用情報

自己破産をしたとしても家族の信用情報に影響はありません。

 

そのため自己破産をした本人はクレジットカードの利用や新規ローンの契約はできないですが、家族が代わりに行えます。

 

ただ、家族に自己破産をした人がいると、ローンの審査が通りにくくなる可能性があります。

 

その他、自己破産による家族に影響に関する誤解を以下に表にまとめました。

誤解 実際の影響
給料やボーナスが差し押さえられる 自己破産をすることで給料などの差し押さえがストップする
パソコンやゲーム機が差し押さえられる パソコンは1台までであれば差し押さえられない

 

ゲーム機についても20万円以上の価値がなければ差し押さえられない

家具や家電などが差し押さえられる 当面の生活に必要な衣類や家具・家電などは差し押さえが禁止される

 

家族に内緒で自己破産できるか

家族に内緒で自己破産できるか解説します。

 

家族が保証人の場合は難しい

家族に保証人がいる場合は自己破産を内緒で行うことは難しいです。

 

家族や親族が連帯保証人や保証人になっている場合、自己破産をした人から家族へと返済義務が移行します。

 

そのため自己破産の手続きを内緒に進めたとしても、最終的には必ずバレます。

 

家族が連帯保証人なのであれば迷惑をかけないためにも、必ず事前に相談した方が良いでしょう。

 

家族が借金を返済するのが難しければ、本人だけではなく家族も自己破産を進めるのも可能です。

 

配偶者がいる場合は難しい

配偶者がいる場合も、自己破産の手続きを内緒で行うのは困難です。

 

理由は例えば…

  • 持ち家がある場合、突然引越しをしなければいけない
  • 家族で使用するタイプのクレジットカードが使えなくなる
  • 高価な財産の処分をしなければならない

 

内緒で自己破産を進めるよりも、正直に相談してから行うことをおすすめします。

 

未成年の場合は難しい

自己破産の申し立てをする人が未成年である場合、家族に内緒で手続きを進めることは不可能です。

 

そもそも未成年者は、家族である両親や法定代理人の同意によって初めて法律行為を行なえます(民法第5条第一項本文)。

 

そのため、未成年者が自己破産の相談を弁護士などにする場合、必ず親もしくは法定代理人から同意を得なければいけません。

 

自己破産を家族に内緒にするためには他の選択肢も検討すべし

自己破産をして借金問題を解決する際に、どうしても家族に内緒にしたいのであれば他の選択肢も検討しましょう。

 

どうしても自己破産を利用できない場合、任意整理や個人再生を検討しましょう。

 

任意整理は、将来利息のカットや無理のない返済方法を債権者と交渉する手続きです。

 

個人再生は、借金の一部を3~5年以内に支払うことを条件に、残りの借金を免除してもらう手続きです。

 

まとめ|衣食住を確保すれば、家族への影響は少ない

今回紹介してきたように、自己破産をしても基本的に家族への影響はありません。

 

ただし持ち家に住んでいる場合、引っ越しをする必要があります。

 

もっとも衣食住さえ確保していれば、家族への影響を最小限に抑えられます。

 

当事務所では、自己破産によって生じる家族への影響を含めて今後の最適な解決方法を提案いたします。

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