離婚時に取り決めておくべき事項の一つに、財産分与があります。
財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に清算・分配することです。
財産分与は、離婚成立後でも請求できます。しかし、話し合いがまとまらないまま離婚成立日から2年が経過すると、財産分与を受ける権利が消滅するため、離婚成立前にきちんと取りまとめておくことが重要です。
弁護士なしで離婚すると財産分与で損をする?
弁護士の関与なしで協議離婚したケースでは、財産分与は適切に行われているのでしょうか?
弁護士なしの協議離婚では約60%が財産のやり取りなし
法務省が令和3年に行った財産分与を中心とした離婚に関する実態についての調査・分析によると、過去10年以内に離婚を経験したことのある30代から60代までの男女(合計700名/男女350名ずつ)のうち、76.6%が弁護士の関与なく夫婦での話し合いだけで離婚を成立させています。
弁護士のサポートを受けて協議離婚した方のうち、財産分与ないし慰謝料名目で金銭の支払いがあった方が68.2%に上るのに対し、弁護士の関与なしに協議離婚に至った方の60.6%が「(財産分与としての)支払いがなかった」と答えています。
離婚の際に相手方と財産分与の取り決めをしていない方が多い
弁護士の関与なく協議離婚した方の68.1%は、離婚の際に相手方と財産分与の取り決めをしなかったことも明らかになっています。
取り決めをしなかった理由として挙げられた回答および割合は、以下のとおりです。
- 請求/支払をする必要がないと思った・・・55.8%
- 相手から話合いを求められなかった・・・17.3%
- 制度を知らなかった・・・14.8%
- 相手が話を聞いてくれなかった・・・10.7%
- 相手が怖くて話し合えなかった・・・6.8%
- その他・・・9.1%
財産分与の請求/支払いをする必要がないと思った方が全体の半数以上を占めていることが分かります。
弁護士なしで離婚した人の約40%が相手方の財産を十分に把握できていない
ところが、弁護士の関与なく協議離婚をした方の43.1%が、「相手方の財産を十分に把握できなかった」と答えています。
つまり、相手方の財産を十分に把握できていないのに、請求/支払いをする必要がないと考えている方が多くいらっしゃるのです。
財産分与をする・しないの選択は、夫婦それぞれの判断に委ねられているため、お互いが納得すれば、財産分与をせずに離婚を成立させても問題ありません。しかし、いったん財産分与請求権を放棄した場合、特段の事情がない限り、後から気が変わっても放棄の意思表示は撤回できません。
財産分与で自分の取り分が減ることを恐れて、財産開示に応じなかったり預貯金や現金を隠したりする人も少なくありません。
ご自身が把握していない財産があった場合、本来なら受けられるはずだった財産を貰えないという不利益を被る可能性があります。
離婚後に後悔しないためには弁護士に相談を
当事者同士で離婚の話し合いを進めると、財産分与の対象となる共有財産を正確に把握できず、相手方の不当な財産隠しについても然るべき対策を取れないことがあります。
離婚を急ぐあまりに財産分与請求権を放棄してしまい、離婚後、経済面から後悔する方も少なくありません。
弁護士の関与なく離婚した方の約40%の方が、財産分与にあたって「弁護士による相談等の支援があればよかった」と回答しているのも事実です。
財産分与は、夫婦が共同生活を送る中で形成した財産の公平な分配だけでなく、離婚後の生活保障や離婚の原因を作ったことへの損害賠償の性質があると解されています。
後悔なく離婚するためには、弁護士のサポートを受けるのが効果的です。
財産分与について弁護士に相談するメリット
財産分与について弁護士に相談・依頼するメリットを紹介します。
財産分与の適正な条件を把握できる
財産分与の対象となる夫婦共有財産は、原則として2分の1ずつ分配するのが実務上のルールです。
ただし、2分の1ルールを適用すべきでない特段の事情があるケースもあります。例えば、以下のような場合です。
- 夫婦の一方の特別の努力や能力によって高額の資産が形成された場合
- 不動産等の高額な財産の取得時に夫婦の一方が多額の特有財産を出資した場合
- 夫婦の一方が勤労・家事労働を引き受けて他方がこれを行わなかった場合
- 夫婦の一方が他方に無断で多額の浪費をした場合
夫婦の一方が婚姻費用分担義務を果たすことなく離婚になった場合や、夫婦の一方の有責行為により離婚に至った場合には、未払婚姻費用の精算のための給付や慰謝料的要素を含めて財産分与の額や方法を定められます。
弁護士に相談すれば、適正かつ公平な財産分与を行うために必要な法的アドバイスを受けられます。
共有財産を正確に把握できる
弁護士に依頼すれば、財産分与の対象となる夫婦共有財産に関する情報を、より正確に把握できます。
相手方が財産開示に応じない場合や隠し財産の存在が疑われる場合には、弁護士法23条照会や裁判所を通じた調査嘱託などの方法により、相手方の財産を正確に把握できます。
相手方との交渉を任せられる
離婚を考えるほどに関係性が悪化している相手方と、お金について話し合うことは、精神的にも大きなストレスになるでしょう。互いに感情的になり、協議がなかなかまとまらないケースもよくあります。
弁護士に依頼すれば、財産分与を含めた離婚条件について、相手方との協議を代行してもらえます。相手方と直接協議したり、顔を合わせたりする必要がなくなるので、精神的なストレスの軽減に繋がります。
第三者である弁護士が論点を整理しながら協議を進めることにより、適正な条件による離婚が早期に成立する可能性も高まります。
神奈川で財産分与に強い弁護士に無料相談|法律事務所を7つ紹介
ここでは、財産分与を相談できる神奈川近郊の法律事務所を7つ紹介します。
ネクスパート法律事務所【横浜オフィス】
基本情報
当事務所の特徴
ネクスパート法律事務所の特徴は、以下のとおりです。
- 平日21時までの相談に対応
- 男性・女性弁護士の選択が可能
- 離婚後の経済的な生活を見据えた現実的な解決策を提案
- 弁護士費用のクレジットカード決済・分割払いが可能
- 全国10箇所に拠点あり|最寄りの事務所に相談可能
- 他士業・専門家との提携によるワンストップサービスを提供
※なお、本サイトはネクスパート法律事務所が監修をしています。
渋谷第一法律事務所
基本情報

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おすすめポイント
渋谷第一法律事務所をおすすめする理由は、以下のとおりです。
- 代表弁護士が直接対応
- 専門用語を多用しない分かりやすい説明
- LINEでの相談予約が可能
- 明確な料金体系
グラディアトル法律事務所
基本情報

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おすすめポイント
グラディアトル法律事務所をおすすめする理由は、以下のとおりです。
- 男女問題をめぐる慰謝料請求に注力している
- 経営者の離婚事案のノウハウが豊富
- 電話での相談が可能
- 東京と大阪に拠点がある
- 専門用語を多用しない分かりやすい説明
弁護士法人東京スタートアップ法律事務所【横浜支店】
基本情報

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おすすめポイント
弁護士法人東京スタートアップ法律事務所をおすすめする理由は、以下のとおりです。
- 3,000件以上の男女問題に関する相談実績がある
- 全国12箇所に拠点あり|最寄りの事務所に相談可能
- 専門用語を多用しない分かりやすい説明
- 明確な料金体系
アイシア法律事務所
基本情報

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おすすめポイント
アイシア法律事務所をおすすめする理由は、以下のとおりです。
- 代表弁護士が国内有数の法律事務所で実績を積んでいる
- テレビ、ラジオ出演実績がある
- 専門用語を多用しない分かりやすい説明
- 明確な料金体系
弁護士法人鈴木総合法律事務所
基本情報

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おすすめポイント
弁護士法人鈴木総合法律事務所をおすすめする理由は、以下のとおりです。
- 迅速な対応、随時の報告が受けられる
- 専門用語を多用しない分かりやすい説明
- 相談受付は24時間対応
- 明確な料金体系
弁護士法人若井綜合法律事務所【新橋オフィス】
基本情報

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おすすめポイント
弁護士法人若井綜合法律事務所をおすすめする理由は、以下のとおりです。
- 年間2000件以上の男女問題・男女トラブルの相談実績がある
- 出会い系・パパ活トラブルに関しても実績が豊富
- 専門用語を多用しない分かりやすい説明
- 相談受付は24時間対応
- 明確な料金体系
【この記事の監修者】
弁護士 寺垣 俊介(ネクスパート法律事務所)