釈放を得るには?手続き・流れ・釈放を得られた事例を解説

釈放(しゃくほう)とは、身柄拘束から解放されることです。

釈放されるタイミングを大まかにわけると、次の3つになります。

  • 逮捕後勾留前
  • 勾留後起訴前
  • 起訴後

この記事では、釈放の基礎知識をお伝えした上で、釈放を得るために弁護士が行う活動の詳細をお伝えします。

身近な方が逮捕されてしまった方はぜひ最後までご参考ください。

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釈放とは

最初に、釈放について知っておきたい基礎知識をお伝えします。

  • 釈放と保釈・仮釈放・出所の違い
  • 釈放を得るべき理由
  • 釈放にお金はかかる?
  • 釈放までにかかる時間・期間
  • 釈放された…その後はどうなる?

釈放と保釈・仮釈放・出所の違い

釈放に似た用語の意味と違いを確認していきましょう。

釈放と保釈の違い

保釈とは、被告人の身柄を一時的に解放することです。

釈放との主な違いは…

  • 保釈は起訴~刑事裁判までの身柄解放のことである
  • 保釈を得るには保釈金が必要である

したがって、起訴前の場合は釈放について、起訴後の場合は保釈について調べるといいかもしれません。

保釈については、次の記事で詳しく解説しています。

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釈放と仮釈放の違い

仮釈放とは、禁固刑や懲役刑に服している方が、刑期が満了する前に身柄解放されることです。

刑期満了前に身柄を解放する目的は、受刑者の更生を図るためです。一定の条件を満たすことで、仮釈放を得られることがあります。

懲役刑を受けている人の身柄解放を期待する方は、仮釈放で調べてみてください

釈放と出所の違い

出所とは、刑期を終えて刑務所から出てくることです。

釈放は逮捕後から刑の終了までの身柄解放のことをいいますが、出所は刑期満了後の身柄解放のことをいいます。

釈放を得るべき理由

釈放を得るべき理由は、生活への悪影響を少なくするためです。身柄拘束をされている間は学校や職場にはいけません。身柄拘束が長期化すると最悪退学や解雇につながる恐れがあります。このようなリスクを避けるためにも、1日でも早く釈放を得るべきです。

具体的な身柄拘束の期間は、起訴前と起訴後で異なります。

  • 起訴前:逮捕後最大23日間
  • 起訴後:原則2ヶ月、以降1ヶ月ごとに更新

釈放にお金はかかる?

起訴前の釈放なのか、起訴後の釈放(保釈)なのかによって事情が変わってきます。

起訴前であれば、釈放を得るためにお金を払うようなことはありません。

一方、起訴後保釈を得るためには、保釈金(100万円以上になることが多い)を納付する必要があります。

もっとも、保釈金は保釈期間中にルールを守っていれば、刑事裁判終了後に還付されます。

釈放・保釈を得るためには刑事弁護が必要になることが一般的です。上記とは別に、弁護士費用や示談金などがかかるのが普通です。

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釈放までにかかる時間・期間

起訴前の釈放にかかる時間・期間

警察から検察に被疑者の身柄を送致しない場合は、逮捕後48時間以内に身柄が開放されます。

検察から裁判官に勾留請求がされなかった場合や、勾留請求を裁判所が却下した場合は、逮捕後72時間以内に身柄解放されます。

勾留が決定してしまった場合は、逮捕後23日間のどこかで身柄解放される可能性があります。ただし、被疑者に逃亡や証拠隠滅の疑いがあるような場合や、被疑者の情状がよくない場合は身柄拘束される見込みは低いでしょう。

起訴前の段階で釈放を得るために、弁護士は検察官や裁判官に意見書を提出したり、被害者と示談交渉をしたりします。このような対応が早ければ早いほど、早期の釈放を期待できます。

保釈にかかる時間・期間

保釈にかかる時間は、保釈の申請をしてから2日~1週間程度です。保釈が決定されると保釈金の納付が必要になるので、あらかじめ保釈金を用意しておくとスムーズに身柄解放を得られます。保釈が不許可になった場合、弁護士は不服申し立てをおこないます。

釈放された…その後はどうなる?

釈放された後の流れはどうなるのでしょうか?

今後の流れは釈放の理由によって異なります。

  • 在宅事件に切り替わり釈放された場合
  • 不起訴を得られて釈放された場合
  • 保釈された場合

在宅事件に切り替わり釈放された場合

在宅事件への切り替えで釈放された場合、これまで通り学校や会社に通っても構いません。

ただ、警察や検察官から呼び出された際に、出頭する必要があります。

事件が終了したわけではありませんので、証拠隠滅や逃亡を図っていると思われるような行動はするべきではありません。

不起訴を得るためには被害者との示談交渉が必要になるので、刑事事件の解決実績が豊富な弁護士を探して、刑事弁護を依頼しましょう。

逮捕されている場合は、何もしなくても国選弁護人が選任され、刑事弁護を受けられます。しかし、在宅事件の場合は国選弁護人が選任されません。したがって、自分で弁護士に依頼をしないと、刑事弁護を受けられません。

不起訴を得られて釈放された場合

不起訴を得られた場合は事件が終了していますので、これまでの生活に戻れます。

保釈された場合

保釈後は刑事裁判が控えているので、保釈の条件を守って過ごす必要があります。

  • 裁判所から呼び出されたら出頭する
  • 居住地を変更する場合は裁判所の許可を得る
  • 被害者に連絡をする場合は弁護士を通す
  • 事件の関係者と接触をしない
  • 薬物を使用しない

釈放されるタイミングと弁護士が行う手続き

釈放が得られるタイミングは、主に以下の3つです。

  1. 逮捕後勾留前の釈放
  2. 勾留後起訴前の釈放
  3. 起訴後の釈放(保釈)

ここでは、各タイミングで釈放を得るために弁護士が行う活動をご説明します。

【刑事事件の流れと釈放のタイミング】

釈放されるタイミング1:逮捕後勾留前の釈放

釈放のタイミングとしても最も理想なのは、逮捕後勾留前の釈放です。上記図①から⑦までに釈放されることを指します。

勾留前に釈放される具体的なタイミングは、次の3段階に分けられます。

  • ③警察の弁解録取後
  • ⑤検察の弁解録取後
  • ⑦裁判官の勾留質問後

勾留請求までの時間は、逮捕から最大で72時間しかありません。そして、検察の勾留請求は、検察に身柄が引き渡されてから24時間以内には行われます。

一度勾留が決定してしまうと、釈放される難易度は上がるのが一般的ですので、勾留前に釈放を得ることが重要です。

また、勾留前に釈放されれば、日常生活への影響も比較的少なく済むと考えられます。勾留されてしまうと、最大20日の身柄拘束となり、会社や職場、学校に逮捕された事実を知られてしまうリスクが高くなります。

勾留前の弁護活動

勾留前の主な弁護活動としては、捜査機関や裁判所への働きかけがあげられます。

具体的には…

  • 捜査機関や裁判所へ身柄拘束が必要でない旨の意見書を提出
  • 検察官や裁判官と面接して勾留請求却下の意見を補強するための詳細な事情を説明
  • 身柄拘束の必要性がないことを裁判所に認めてもらいやすい状況を作るために、被害者と示談交渉

ここで、示談交渉がなぜ身柄釈放に有効なのか、少し解説します。

そもそも、どうして身柄拘束(逮捕・勾留)されるのかというと、それは被疑者に罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあると認められるからです。

しかし、仮に示談が成立した場合はどうでしょうか?

示談は、基本的に本人が罪を認めていることを前提としています。罪を認めているということは、それだけ物的証拠を隠匿(証拠隠滅)したり、証人を威迫したりするなどの罪証隠滅行為に出るおそれはないと判断されやすくなります。

また、示談が成立すると軽微な事案ほど不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得しやすくなります。

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身柄が拘束されている間は被疑者(犯罪の疑いをかけられている者)であるご本人様が弁護士に依頼することはできませんから、ご家族が弁護士を選ぶことになります。そして、この時ご家族は弁護士の種類(私選か国選か)を検討する必要があります。

なお、勾留前の段階では、私選の弁護士のみ弁護活動を行うことが可能です。勾留前の釈放を目指す方は私選の弁護士に弁護活動を依頼しましょう。

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そして、勾留前の期間はご家族でさえも面会はできません。接見できるのは弁護士のみです。弁護士にご依頼いただくことで、留置場にいるご本人様(被疑者)とご家族とのパイプ役を図り、少しでも状況把握ができるようサポートします。

また、逮捕中は警察や検察から取調べを受けることになりますが、ご本人様が不利な供述をしてしまわないよう、弁護士が接見を通しアドバイスすることも可能です。

釈放されるタイミング2:勾留後起訴前の釈放

勾留後起訴前の釈放とは、⑨捜査中に釈放されることを指します。⑧勾留決定後、原則10日間、最大で20日間身柄拘束される恐れがあります。

勾留中に釈放が認められるケースは…

  • 被害者との示談がまとまり不起訴になったケース
  • 略式起訴で終わったケース

不起訴となれば前科はつきませんので、ご依頼者様が不起訴となるよう弁護活動を行うのが一般的です。略式起訴は罰金刑ですので、前科はついてしまいます。

不起訴処分にできるかどうかは、刑事事件の弁護活動において最も重要なポイントと言っても過言ではありません。検察官が起訴をするのは、ある程度証拠や根拠が揃ったときです。

現行では起訴されると99%以上の確率で有罪判決が下る結果となっています。前科をつけたくなければ、できるだけ早期に弁護士に依頼しましょう。

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勾留後起訴前の弁護活動

勾留後起訴前の弁護活動は、以下の2点がメインです。

  • 勾留決定に対する不服申し立て
  • 検察官に対する働きかけ

不服申し立ての手段は…

  • 検察官に対する意見書の提出や面接
  • 裁判所の勾留決定に対する準抗告の申し立て
  • 裁判所に対する勾留取消し請求

ご家族の対応としては、本人の釈放後のことを考えてきちんと受け入れられる体制を整えておくことが重要です。釈放されてからではなく、釈放される前から準備する必要があります。

たとえば、万引きを繰り返す窃盗症、薬物使用を繰り返す薬物依存の方を受け入れる場合は、ご本人が釈放される前から、弁護士や専門機関に相談するなどして、再犯防止に向けた治療のための生活環境を整えておく必要があります。そのことが結果として、早期釈放に繋がりやすくなります。

釈放されるタイミング3:起訴後の釈放(保釈)

起訴後の釈放とは保釈のことです。つまり、起訴から刑事裁判開始までの間に釈放されることを保釈といいます。

保釈の申立てが認められるのは「被告人(起訴された人)」のみなので、保釈は起訴後にしか認められていません。

保釈されるには「保釈金」が必要です。保釈の許可がおりても保釈金が用意できなければ、釈放はされません。

この保釈金は、保釈中に守らなければならないことを守らない(つまり違反する)と、没収されてしまいます。

保釈中に守るべきことは以下の通りです。

  • 裁判所からの呼び出しには必ず出頭する
  • 居住地を変更するには裁判所の許可をもらう
  • 被害者への連絡は必ず弁護士を通す
  • 被害者や共犯者など、事件関係者との接触を避ける
  • 覚せい剤などの薬物に接近しない

保釈中、これらを無事守ることができれば、裁判の結果が有罪であろうとも、保釈金は全額戻ってきます。

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起訴後の弁護活動

起訴後の弁護活動の1つは、保釈請求です。

保釈請求にあたっては、保釈請求書という書面にご家族などの身元引受人となる方の「上申書」、「身元引受書」、ご本人の「誓約書」などの書類を添付して裁判所に提出します。

ご家族としては、引き続きご本人を受け入れる体制を整え、保釈金を準備する必要があります。

【釈放・保釈のために必要となること】

早期釈放・保釈を実現するためには、捜査機関や裁判所に申し立てを行っていく必要があります。

【弁護人の弁護活動】

捜査機関や裁判所への申し立てには法的知識が必要です。申し立てには弁護士の力が必要です。

釈放を得られた事例|ネクスパート法律事務所

最後に、当事務所の釈放事例を3つご紹介します。

他の事例についても以下のページでご紹介していますので、ぜひご確認ください。

解決事例一覧

勾留を防いだ事例|風俗営業適正化法違反事件

私服警官に風俗店へのキャッチを行い、現行犯逮捕された事例。

ただちに被疑者と面会し、事件の概要を聴取。その後、ご両親の身元引受書、ご本人の誓約書を作成しました。

上記に加えて必要な資料と、勾留請求への意見書を検察に提出したものの、結局勾留請求されてしまいました。

その後、裁判所に意見書の提出と裁判官面接を申し入れ、証拠隠滅の恐れがないことを説明。

結果、勾留請求は却下され、逮捕後3日目の夕方に釈放されました。

詳細:勾留請求が却下された風俗営業適正化法違反事件の事例

勾留決定後に準抗告が認められた事例|痴漢事件

痴漢事件で勾留決定の取り消しを得られた事例。

被疑者は電車で女性に30分ほど痴漢行為をし、目撃者によって警察に身柄を引き渡されました。

ご依頼を受けた日に被疑者との接見と、妻の身元引受書・被疑者の誓約書を作成。検察官に勾留請求をしないよう意見書を提出したところ、勾留請求はされず被疑者は釈保されました。

釈放後、被害者に示談交渉に応じてもらえました。加えて、精神科への通院と性犯罪者の構成プログラムを被疑者に受けてもらいました。これらの状況をまとめた資料を検察官に提出し、無事不起訴処分を獲得できました。

詳細:勾留決定後に準抗告が認容された痴漢事件の事例

保釈請求却下への準抗告が認められた事例|恐喝事件

恐喝被告事件での保釈請求事例です。

起訴後、すぐに保釈請求をしたものの、別の実行者がすでに保釈されており、口裏合わせをする恐れがあることから保釈請求は却下されました。

保釈を得るために、被告人の妻と会社の社長が監督を行う旨の電話聴取報告書を作成し、準抗告申立書に添付。保釈請求が却下された日に裁判所に提出しました。

翌日、準抗告が認められ、被告人は保釈されました。

詳細:保釈請求却下に対する準抗告が認容された恐喝被告事件の事例

まとめ

刑事事件における釈放の段階は次の3つに分類されます。

  • 逮捕後勾留前
  • 勾留後起訴前
  • 起訴後

どの段階でも、釈放を得るためには次の点が大切です。

  • 弁護士に弁護活動を行ってもらうこと
  • 本人が釈放された後の生活環境を整えること

早期釈放・保釈を実現するためには、弁護士の弁護活動が必要不可欠といっても過言ではありません。当事務所では、東京・立川・横浜・大宮・西船橋・高崎・仙台・名古屋・神戸・福岡・沖縄の事務所を合わせ、年間1,000件を超える刑事事件の相談を承っており、勾留が決定する前に身柄解放を実現した事例を複数持っています。

また、裁判官が検察官からの勾留請求を認めた後の「準抗告」に成功、つまり勾留決定を阻止した事例も持っていることは、当事務所が難しい状況からでも諦めずサポートする姿勢を持っていることを証明してくれるものだと自負しております。

ご家族が逮捕され、身柄解放に向けサポートしてくれる弁護士を探している方は、ぜひ当事務所にご連絡ください。

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