不貞行為を契機に同居の解消や婚姻関係解消に向けた行動を開始したなど、婚姻関係の破綻が引き起こされたことを考慮して慰謝料200万円を認めた事例

不二子と愛之助とが、不貞行為を開始し、その後、不二子は不二夫と同居する自宅を出て愛之助と同棲をすることとなり、不二夫はこれらの結果、精神的苦痛を受けたとし不二夫が愛之助に対し、不法行為に基づき、慰謝料等の支払いを求めた事案である。

愛之助は不二子と交際開始後、不二子が既婚者であることを確認したものの、交際を継続し、その後、不二夫に発覚した。その後不二子は、不二夫と同居する自宅を出て愛之助と同棲を開始し、不二子は、不二夫に対して記入済みの離婚届を送付して離婚の意思を示した。不二子と愛之助は現在も交際を継続していることが認められ、愛之助らの交際の態様は、不貞行為として不二夫に対する不法行為を構成するというべきであり、また、愛之助は、この交際が、不二夫に対する不法行為を構成することを認識していたされた。不二子は、愛之助との交際を継続しながら、不二夫にはその旨を隠して不二夫やその家族との家庭生活を継続していたとみられ、その交際が不二夫に発覚する以前においては婚姻関係の解消を求める話合いが具体的に持たれたり、不二夫から、婚姻関係を脅かすような言動がみられるなど、婚姻関係が破綻していたことをうかがわせる事情はないため、不貞行為までの時点において不二夫らの婚姻関係が破綻していたとは認められないとされた。

不二夫らの婚姻関係の破綻が、不貞行為により引き起こされたとみられること、不貞行為を契機として不二子が不二夫との同居を解消して愛之助との同棲を開始し、婚姻関係解消に向けた行動を示すに至ったことなどの一切の事情を総合すると、慰謝料200万円、弁護士費用20万円の計220万円が相当とされた。

当事者の情報

不貞期間約3年3カ月
請求額330万円
認容額330万円
子供人数2人(17歳、11歳)
婚姻関係破綻の有無破綻していない

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