婚姻関係が破綻としていたとは言えないが、多大な悪影響があったとされ、慰謝料150万円が認められた事例

本件は、不二子が、その夫と愛子が肉体関係を持ったと主張して、愛子に対し、不法行為に基づき、330万円(慰謝料300万円と弁護士費用30万円)の支払を求めた事案です。


愛子と不二夫は、高校の同級生であり、不二子と不二夫が北海道旅行をした際、当時北海道に住んでいた愛子と長女の4人で昼食を共にしたことがあり、その後、愛子と不二夫は、愛子が東京を訪れる際、会うようになりました。


提出された証拠等によれば、愛子と不二夫が、池袋等のホテルに二人で滞在したことが認められ、その際に撮影された写真には、愛子と不二夫が仲睦まじく寄り添っている状況、キスをしている状況、枕の上にブラジャーが置かれている状況が写っているなど、愛子と不二夫が、肉体関係を持ったことが優に推認されるというべきであるとされています。


愛子は、不二子と不二夫は、愛子と不二夫が肉体関係を持った時点において、家庭内別居状態にあり、その婚姻関係は破たんしていた旨主張しました。不二夫は、弁護士に対し、不二子との離婚を相談する中で、不二子とは長期間にわたり肉体関係がなく、食事を共にすることもなかったとの事情を述べていましたが、かかる事情をもって、不二子と不二夫が家庭内別居にあったとは認めるに足りず、一方の不二子は、不二子が不二夫と予定を伝え合っていたことや、不二子が不二夫の弁当を作っていたこと等の事情を挙げ、家庭内別居などではなかったと述べており、不二子と不二夫が北海道旅行をしていたことも考慮すれば、愛子と不二夫が肉体関係を持った時点において、不二子と不二夫との婚姻関係が破たんしていたと認めることはできないと判断されています。


不二子と不二夫は、不二夫が自宅を離れ別居するに至っているところ、愛子代理人弁護士が、不二子代理人弁護士に対し、愛子が不二夫と接触しないことは約束しかねる旨回答し、本件訴訟においても同様の回答をしていることからすれば、愛子と不二夫との不貞関係は、なお継続しているものと推認され、これらの事情を総合すると、愛子は、不二子と不二夫との婚姻関係に多大な悪影響を及ぼし、不二子に強い精神的苦痛を与えたというべきであり、不二子の慰謝料は、150万円と認めるのが相当であるという判決になりました。

当事者の情報

不貞期間約3年8か月
請求額330万円(うち慰謝料300万円)
認容額165万円(慰謝料150万円)
子供人数不明
婚姻関係破綻の有無婚姻関係が破たんしていたと認めることはできない

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