不貞期間約1ヶ月、150万円の慰謝料が認められた事例

本件は、不二夫が、不二子と離婚するに至ったのは不二子と愛之助の不貞行為が原因であるとして、愛之助に対し、不法行為に基づき、損害金660万円支払を求めた事案です。争点となったのは、不貞の有無と不二夫の損害についてです。


不二子は、電車で通勤すると、早番の始業時間に間に合わないため自転車で出勤することがあり、悪天候の場合等は、勤務先の近くにあるインターネットカフェに泊まるなどしていました。愛之助は、不二子と勤務先で知り合い、不二子が前記のとおりインターネットカフェに寝泊まりしていることを知り、自宅の一室を使用してよいと伝えたところ、不二子は、愛之助宅の一室を利用することとし、ほとんど自宅には戻らなくなりました。愛之助は不二子が既婚者であることは知っていました。


裁判所は、不二子は、「好きな人ができました。裏切ってすみません。」とのメールを不二夫に送信していることに加え、不二夫から不貞男の所に戻るのかと質問されたのに対し、そうだと答えたこと、愛之助のほかに不二子の不貞の相手方の存在をうかがわせる的確な事情が見当たらないことからすれば、不二子は、愛之助から単に間借りを受けているのではなく、愛之助と不二子とは、不貞関係にあったと推認するのが相当であると判断しました。この点、不二子は、愛之助とは別の男性と不倫関係にあったと主張しましたが、他に男性の存在をうかがわせる事情が見当たらないことなどから、不二子の供述は信用することができないとされています。


また、愛之助と不二子は、2人で居酒屋に行き、その帰りに手をつないでいるところを目撃されました。愛之助は単に釣銭の受渡しをしたにすぎないと主張していましたが、目撃されたのは愛之助がコンビニエンスストアを退店して10分を経過してからであることからして、愛之助の供述は不自然であるといわざるを得ず、採用されませんでした。


提出された証拠から検討すると、愛之助と不二子とは、不貞の関係にあったと認められました。


不二夫と不二子とは、不二子が本件不貞により別居を開始するまで約31年間にわたって婚姻関係にあり、4人の子供をもうけるに至ったこと、愛之助は本件不貞を認めず、不二子とともに不合理な弁解に終始していること、他方で、不二夫は仕事の都合から海外で過ごす機会も少なくなく、不二夫との間の価値観の相違が本件不貞の遠因といえなくもないこと等を併せ考慮され、慰謝料の額としては150万円が相当であるという判決になりました。

当事者の情報

不貞期間約1か月
請求額660万円
認容額165万円(慰謝料150万円、弁護士費用15万円)
子供人数4人
婚姻関係破綻の有無不明

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